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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
109/295

109-強者への恭順

『クロペル共和国側が密談を指定してきたのですか?』


その言葉を聞き、カサンドラは意外そうな顔をした。

何故そのような事をするのか理解できなかったからだ。


『見たかな、カサンドラ。これが我が主の計略だよ』


そしてそれを、ケルビスは称賛した。

訳の分からないといった様子のカサンドラに、ケルビスは説明を行う。


『私たちは自由に攻撃が出来ない、だがそれに、クロペル共和国側は気づいたんだよ。攻撃さえしなければ反撃されない。それはつまり、オルダモン連邦に警戒されないためには、味方を生贄に捧げなければならないんだ』

『つまり、オルダモン連邦を裏切るという事ですか?』

『そうだ。彼らはオルダモン連邦を裏切って、仲間を守る事にしたのだよ』


そして同時に、カサンドラもケルビスも気づいていた。

この密談には、クロペル側の今後も掛かっていると。


『しかし.......エリアス様がいらっしゃいませんね』

『私が旅行に行くように仕向けましたからね、その邪魔をするのもいかがなものです。私が交渉に応じましょう』

『.......まさか、このために.....?』


ケルビスはにやりと笑う。


『いえいえ、そのような事は。あまりに不敬でしょう?』

『.....私も同席しましょう』


カサンドラはケルビスの暴走を抑えるために、自分もその席に同席することを誓ったのだった。







「緊張するね」

「そのためのこの立地ですから」


その頃、モニカ.......ではなくティニアと、ジン....ではなくジアンは、モニターを前に正装をしていた。

Ve’zとの密談に、観光客の出払ったパター星系を指定し、オルダモン連邦とVe’zのどちらかに攻撃されても、被害が出ないように配慮したのだ。


「でも、もし攻撃されたら.....」

「きっとあの方たちですから、すぐに脱出されるでしょう」


ティニアは昼間に出会った二人の観光客の事を思い出していた。


「綺麗な人たちだったね」

「そうですね」


ジアンは特に恋愛感情を持つような人間ではないが、昼間に会ったエリアスという女性に対しては、一種の感嘆のようなものを覚えていた。


「なに? 恋しちゃった?」

「そのような事はありません。彫刻のような女性でしたが、私は常に中立ですので」

「そう、なんだ」


ティニアはそれだけ言うと、モニターを見た。

秘匿回線で連絡をしたいとメッセージを送っただけなのだが、本当に来るのか疑問だった。

だが。


「な、何!?」

『シ.....ラー.......2...b』


モニターがグリッチし、文字化けが発生する。

それら全てが収まった時。

二人は白い空間にいた。


「な....!?」


二人の前には相変わらずモニターがあるものの、画面には何も映ってはいない。

当たり前である、通信システムはマインドリンクのツールとして使われただけなのだから。


『貴方達が、クロペル共和国の首脳で間違いありませんか?』


そして、白い空間から出現した女性が、二人に問いかけた。

ジアンは彼女を見ると同時に、昼間に出会った女性を連想した。


「.......私は側近に過ぎません、こちらの御方がティニア・ルクシャ・クロンペリャ.....正統なるクロペル共和国の継承者です」

『それで』


その時、もう一人の男が現れた。

こちらも不自然なほどに整った顔、青白い肌、銀髪とVe’z人の特徴を持っていた。


『人間如きが、我々に何の用事かな』

「.......」


その威圧感に、ジアンは硬直する。

だが、ティニアは揺らがずに口を開く。


「同盟を結びたいのです」

『オルダモン連邦を裏切ると?』

「..............国民の命には、替えられません」


ティニアは複雑な内心を隠して、そう言ったのだった。


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