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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線

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108/295

108-モニカ

「わぁ~中々いいところね」

「....そうだな」


青い空。青い海。

僕らはパター星系に存在するパターⅣへと降りていた。

このパターが属する国は......


「クロペル共和国って、前から話は聞いてたけれど.....自然がそのままある国なのね」

「ああ。気に入ったならよかった」


資料の中にクロペル共和国が入ったままだったので、エリスを説得しきれずに僕らはパターへ向かう事となった。

パターには居住可能な惑星が三つあり、Ⅱの特徴は開発を最低限にとどめていることだ。

前世で言う、地中海のような雰囲気の町並みが広がり、前世との違いは街中のあらゆる施設が自動化されていることと、空をたまに宇宙船が過ぎる事だけだ。


「まずはどうするのかしら?」

「宿を取ってある、空港から近いが.......折角だから、バスに乗るか」


僕たちは宇宙港のロータリーに止まっていたバスに乗り込む。

前世だとありふれた二階建てバスだが、この世界では数百年前の技術のアップサイクル品だ。

事前に見た情報によれば、排気ガスを出さず振動もないという。


「あ、こんにちは!」


中に入ると、乗客は二人しかいなかった。

褐色の肌の女性一人と、目つきの悪い男だ。


「.....こんにちは」

「観光客...なのかな?」

「そうだ」

「ねえ、なんて言ってるの?」


僕は言語に困らないが、エリスはそうではない。

二人との会話が伝わらなかったようだ。


「こんにちは、と言っているようだ」

「そうなのね...私もこんにちは、と言ってるってと伝えてほしいわ」

「....彼女もこんにちは、と言っている」


僕は不本意ながら会話を続けた。

運転席に運転手はいないが、恐らく自動運転だろう。


「この時期に観光なんて、珍しいね」

「...そうなのか?」

「この時期はオーベルン神聖連合との戦争が多いから、観光客は巻き込まれないために居なくなっちゃうんだ」


その時、バスが動き出した。

四人しか乗客がいないのに発車するとは、本当に観光客がいないようだ。


「よく知ってるんだな」

「あっ....そう! ここの生まれだから!」

「お嬢、あまり親しくなる必要は....」


目つきの悪い男が忠告する。

確かに、身元不明の観光客と仲良くなる必要はないな。


「お前たちは、この時期になぜ?」

「ちょっと海に泳ぎに来ただけだよ、すぐに帰る予定なんだ」


女性はそう言った。

それにしても、一般的なクロペル人の顔つきからしても、かなりの美人だ。

乳白色の髪と深海のような深みを持った青い目。

ひょっとすると、傍にいる男とカップルなのかもしれないな。

主従関係なのか、そうではないのかは気になるが....人のプライベートだ。


「あ、そうだ。君、名前は?」

「.....エリアスだ、こっちはエリス」

「私はモニカ。こっちは従者のジン!」


僕たちは、モニカと連絡コードを交換し合った。

いつでも連絡してね、という言葉と共に。


「何日くらい泊まるの?」

「この星には一週間。その後パターⅢに移動して、最後にパターⅨに向かう」

「そうなんだ...パターⅨに行く時はまた連絡して、あそこにあるプライベートビーチを使えるように手配するから」


やはり一般市民ではないようだ。

貴族か、高級商人だろうか?


「お嬢!」

「これくらいはいいでしょ、折角来た人達なんだから!」


よく分からないが、パターの管理者であるパルター伯に関連する人物なのかもしれないな。

この辺はまだ情報収集不足であり、クロペル共和国がVe‘zの「目」からするとあまり注目されていなかったことを指し示している。


「止まったわね」

「では、また」


僕らはバスを降りるために立ち上がった。

宿の近くの駅に着いたのだ。


「またね!」

「...」


男の無言の視線を無視しながら、僕らはバスの外へ出た。

海辺からだいぶ上がってきたようで、段々状に連なる街並みが見える陸橋の上のようである。


「何だか変な匂いがするのね」

「潮風だろう、金属類の敵だと情報にあった」


ステンレス...錆びることのない金属すら錆び付かせる、エクスティラノス達には効果がないが、たいていの金属にとっては恐怖の象徴のような風を浴びつつ、僕らは宿を目指して歩くのだった。


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