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【完結】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~  作者: 黴男
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
102/295

102-滅亡惑星デート、再び

それから二日後。

僕とエリスとサーシャは、以前行った滅びた惑星へと遊びに行く事にした。

星の裏側を観察していたエリスが、興味深いものを見つけたそうなので、折角だからとピクニックに行く事になった。


「それにしても、静かな星だ...」

「人がいないから、当たり前でしょ」

「いや、動物も居ないのだが...」


植物以外のあらゆる生命が、この惑星からは消えてしまっている。

それで木々が育つのは不思議な話だが、それで問題なくなるように進化したのだろう。


「お姉様、向こうに何か見えます!」

「あれは...何?」


その時、サーシャが地平線の先を指差して叫ぶ。

そちらを見ると、突起のようなものが見えている。


「あれは恐らく、戦時のための広域レーダーの残骸だろう」

「つまり、それを使わないといけないほど航空戦が盛んだったのかしら?」

「そうとも限らないな...ミサイルの迎撃用だったのかもしれない」


僕たちはあまり平穏ではない話題を口にしながら、都市の跡地を歩く。

その時、エリスがとあるものに目を向けた。

半分埋まった自動販売機だ。

ただし、ソーラー発電のようで、まだ動いている。


「...」

「言っておくが、安全は保証できないぞ。僕が飲む」

「...分かったわ」


僕は自動販売機にクラッキングを仕掛け、内部の制御を掌握して飲み物を選べるようにした。

緑のパッケージの缶を選び、プルタブを開けて中身を飲んだ。


「...凄いな、劣化がほぼない」

「ということは、私も飲めるのね?」

「他がそうでないという保証はない、これでよければ半分は残っているが...」


僕が飲み掛けを渡すと、エリスはそれを飲み干した。


「...なんだか、不思議な味ね」

「そうか?」

「こういうものはあまり飲まなかったから、よく分からないけれど...」

「お姉様、私も飲みたいです!」


その時、サーシャが目を輝かせて願う。

僕はもう一本購入して、中身を少し飲む。

問題ないようだ。


「問題ない、飲め」

「はいっ!」


サーシャは慣れない様子で、缶ジュースを飲み干した。

エリアスはサーシャから缶を受け取り、側のゴミ箱に捨てた。

もう二度と回収されることのないゴミ箱に。


「それにしても...滅んだ惑星って、こういう風景なのね...」

「王国にも、こういうのはないのか?」

「あるけれど、安全が保障されていないし、海賊の拠点であることが多いのよ」

「普通は降下しないわけか」


僕は頷く。

仮に降りたとして、ゆっくり観光する暇もないだろう。


「なら、楽しむ以外の選択肢はないだろうな」


僕は周囲を見渡す。

時刻は正午であり、気温はだんだんと上がり始めていた。


「そろそろ昼食にするか」

「どうするの?」

「日陰を探そう」


僕たちは、都市の跡を歩く。

暑いは暑いが、湿度が低いので日陰に入れば直ぐに冷えるだろう。


「お姉様、あのビルの陰はどうですか!?」

「ええ、いい感じね」


サーシャが再び、ビルの日陰を教えてくれた。

僕たちはそちらへ向かい、植え込みだったであろう場所に腰を下ろす。

そこにあった木々は枯れて風化し、今は影も形もない。


「エリアス、最近疲れてない?」

「僕は疲れない、大丈夫だ」

「そうじゃなくて、精神的にってことよ」


ランチボックスには、ケルビス製のサンドイッチとデザートのドライフルーツ、果実フレーバーの茶が入っていた。

僕が持つ限り重さを気にしなくていいので、詰め放題ではあるが...それはあまりに品がないという事で、こうした軽食となったのだ。


「僕は精神鎮静の処置も受けているから、精神の乱れは長くは続かないんだ」


最初にカサンドラに情報をリンクさせられた時に、精神鎮静化プログラムを仕込まれたのだろう。

僕が動じても、それが後々まで続くことはなかなかない。


「それならいいけど...それって、とても辛い事じゃない?」

「ふと思うことはあるが、僕はVe‘zの最高責任者だ...僕が戸惑っていたら、エクスティラノス達は動けない」


だから、それを悲しいことだとは思わない。

思わないようにはしている。


「お姉様、美味しいです!」

「そう、良かったわね」

「はい!」


エリスも、サーシャの扱いに慣れたようだ。

ヴァンデッタ帝国を滅ぼした責任は僕にあるから、彼女の面倒はしっかりと見ないといけないな。


「...さて、そろそろ行くか」

「ええ」


僕たちは立ち上がり、エリスの見つけた「興味深いもの」へ向けて歩き出すのだった。



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