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コミュ障は周りが見えない

同業者。


同じ職業や同じ業種の人のことを指す言葉。この話の流れからして同業者とは、もしかして美冬もいわゆる配信s


「あ!!!UFOだ!!!」


突然、美冬が素っ頓狂な声を出す。その声に驚きながら、いや誤魔化すにしてもちょっとわざとらしすぎるし、それはもう肯定ととってもおかしくないのではないか。美冬を見やると、窓の外を指さして、こちらをちらちらと見ている。はいはい、分かった分かった、その話はあとで問い詰めるとして今はそれに乗ってやるとするか。


美冬の指さす方向を見ると、そこには確かにUFOがいた。UFOがいたのだ。


「うわっ!!UFOだ!!!!!」


美冬に負けず劣らずな素っ頓狂な声を挙げながら俺は勢いよく立ち上がった。UFOってほんまなっや、やべぇ、あれはもしかしたらすごい金になるんじゃないか?


「なにしてんだ美冬!捕まえるぞ!」


「え?え?」


「あれはすごく金の匂いがする!」


「でもあれされるんじゃないの!?なんだっけ、ラグジュアリーだっけ?」


「キャトルミューティレーションな!?全然ちげぇから!!」


俺は飲みかけのアイスコーヒーを一気に飲み干すと、


「店長!お代ここに置いとくから!」


と言って店を飛び出した。


「あ!ご、ごちそうさまでした!」


後から美冬も続いてくる。さりげにおごる形になったが、こういうことがさらっとできるのがイケメンの謂れってわけ。


店外に飛び出ると、太陽光が勢いよく目に入ってきた。それを手で遮ながら、先ほどのUFOを探す。よかった、まだいた。あの一瞬でいなくなられたりしたら意味がない。大学上空を浮遊しているようだ。


「急げ、美冬!」


「ちょっと待ってよ!」


車が来ないことを確認してから道路を横断する。そしてその勢いのまま大学構内へ飛び込んだ。


「ちょっと、ヒールだから走りにくいんだってば」


「美冬、その辺に虫網ないか!?」


「虫網で捕まえるつもり!?サイズ考えてるの!?」


「あぁ、そうか。ごめん、ちょっと考えてなかった」


「ばかなの?」


「うるせぇ、行くぞ!!」


上空のUFOから目を離さずに大学構内を進む。一瞬でも目を離したら消えそうな気がしたからだ。


「ねぇ、ところであれ、ずいぶん小さくない?」


「ばかやろう!UFOなら自由自在にサイズ変えれるんだよ!」


「そ、そうなの!?」


「分からん!でもあんなん作れる所の文明なんだからそれぐらいできるだろ!」


「適当すぎる!」


いやでも言われて見れば、小さい。それもかなり。カフェにいた時は遠いから小さく見えるとばかり思っていたが、やけに小さすぎる・・・?


見上げていた頭がどんどん上を向いていく。そろそろ真下に着くころだ。ちらっと周りを見ると、ここは例の中庭に入る通路だった。


「どう!?この辺じゃない!?」


「そろそろ真下だ!」


真下に着いたところで手を伸ばしても届かない高さにいるUFOをどうすれば捕まられるのかは全く考えていなかった。ここからどうすればいいんだ。


「ちょっと、なにしてるの」


急に声をかけられた。ずっと真上を向いていたからその中庭に誰かいるなんて気付きもしなかった。その声に振り向くと、その声の主はすぐに分かった。


「あ、秋野・・・」


「今日は休みじゃないの?」


「あ、いやUFOが・・・」


と、上を指さそうとしたとき、UFOがぐんぐんこちらに近付いてきた。


「やばい!キャトルミューティレーションされる!伏せろ、秋野!美冬」


俺はそう声をかけてしゃがみこんだ。目をつぶって気配が無くなるのを待つ。しかし、それからどれほど待っても事態が変わることは無かった。まさか、キャトルミューティレーションっていうのはなんの感覚もないのか?浮かび上がる感覚ぐらいはあると思ったのだが。


おそるおそる目を開けると、しゃがみこんでいたのは自分だけだったことが分かった。なんで?そのまま秋野を見ると右手に先ほど見たUFOが乗っているのが分かった。


「え?」


「ドローン」


「え?」


「これ、ドローンね」


よく見ると左手にはコントローラーのようなものが握られている。あ、なんだ、そっか。


「だっさー」


後ろで美冬が俺を指さして笑っている。恥ずかしい。


「紛らわしくて悪かったわね」


「いや、それは、別に」


恥ずかしさで居ても立っても居られなくなった。

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