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新たな隣人は勢いがすごい

東千夏さんのことについて、坂口経由で知りえた情報をおさらいしておこうと思う。


身長は156cmぐらい。胸は大きくカジュアル系の服を好んで着るせいでその強調が一層激しい。前述した通り、ロリ巨乳を体現している。誕生日は7月7日。今まであまり接点はなかったが、すごく元気でハツラツした子のようだ。ただ、少し抜けている所があるらしく、学内の至る所で転んだりしているそう。ロリ巨乳でドジっ子って属性つきすぎじゃない?


そんな東千夏の住まいはというと、


「藤宮さーん!引っ越し手伝ってくださいよー!」


俺の部屋の隣だ。


「わかったわかった、ちょっと待ってて」


引っ越し荷物を颯爽と降ろし終えた配送業者がいなくなるやいなや、俺の部屋の前で東は叫んでいた。なんならドアも叩いている。ようやく春宮との関係が進展を見始めているのに(マイナスからプラマイゼロに戻っただけ)聞こえて誤解でもされたらどうするんだ。これ以上続けられたら春宮にも聞こえそうだったので以前、ドアの前で叫び続ける東に俺は渋々と返事をした。


動きやすそうな服に着替えて部屋を出る。そこに東さんはちょこんと立っていた。


「藤宮さんって身長何センチですか?」


「なにいきなり。175だけど・・・」


「おしいっ!あと1cmあれば理想の身長差でしたのにっ!」


指をパチンと鳴らしながら、東は悔しがった。

まぁパチンと鳴ってはいなかったけど、かすっただけだったけど。


「出てきたっていうことは手伝ってくれるんですね!?」


「そうそう、だからちょっと静かにして。早くいこ」


俺は春宮の部屋の扉をちらちらと見ながら、東を促した。

俺の視線に気づきながらも、東は黙って言うことを聞いてくれた。


「でも女の子の部屋に男を連れ込むなんてなんか卑猥ですね」


「誰が呼んでんだよ」


部屋へ入ると、まぁ当然のことながらダンボールで敷き詰められていた。ちょっと冗談かと思っていたけど本当に引っ越してきたんだな。


「きゃっ!やめて!女の子の部屋をそんなじろじろ見ないでっ!」


東は俺の顔の前で手をぶんぶんとする。


「女の子の部屋っつってもまだ全然できてないじゃん」


「藤宮さんってノリ悪いですよね」


「うるさいな、早くやっちゃおうぜ」


「はーい」


そこからは二人して黙々とダンボールを開け続けた。

物の配置なども考えることなく引っ越してきたらしく、どこに置くかで盛大に時間を使ってしまったが、引っ越し作業は滞りなく終わろうとしていた。

ダンボールが残り3箱となった時、やけに軽いのがあることに気付いた。東はキッチンで用具をごそごそとしている。


「これはどこに置けばいい?」


「えー、なに入ってますかー?開けてみてもらってもいいですか?」


「じゃあ開けてみるね」


東に言われるがままに箱を開ける。

そこには色とりどりの下着が入っていた。


「いっ!」と小さな悲鳴をあげながら後ずさる。いやもちろんあることは知っていた。でもこれぐらいは俺が来る前に片付けておくべきじゃないか。こんなの見せたらだめだろう。


その様子を見て東はこちらに歩み寄ってきた。


「あっ!だめです!これはまだ早いです!」


東はそれを体全体で覆い隠す。ダンボールに体当たりをしたせいで下着類が衝撃で周りに散乱する。もう、隠してると言えないのでは。


秋も深いとは言ったが、これだけの運動量だ、当然汗をかく。東も動きやすいTシャツ姿で作業をしていた。そんなものだからそのTシャツが汗で透けて肌にはりつくのも当然。そしてもちろんそこからは下着も透けて見えていた。


ダンボールに入った大量の下着、そして今目の前にいる東の下着。俺は急いで目を背けながら、


「いや大丈夫、そんなに見てないから」


と、急いで弁解した。


「ちょっとは見たんじゃないですか!顔が赤いのが証拠ですっ!」


というか、だってその辺にも散乱しちゃってるし。見るなというほうが無理だ。


東はダンボールを綺麗に畳みながら、


「これはあとで自分でやるので触らないでください。他の物をお願いします」


と、毅然な態度をとるのだった。遅いけど。

またキッチンへ歩き出そうとした東だったが、足元にダンボールがあるのに気付かず、足を引っかけて前のめりに体勢を崩した。それに気付いた俺がなんとか体を支えようと腕を滑り込ませる。上体を戻そうと伸ばした腕だったが、腕一本では東の体重を支えることができず、二人で倒れる形となってしまった。それこそ、下着類が入った、ダンボールの上に。


そのダンボールには下着類しか入っていなかったことが功を奏したのか、そのせいでケガをすることはなかった。ただ、衝撃で中に入っていた下着はほとんど中空に飛ぶ感じで余計に散乱。そして、俺は東に覆いかぶさる形で着地した。


完全に時が止まった。

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