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ガラスの街  作者: chisa
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第八話 夢

「──? ──、───」

「──。──!」


 なんだろう。誰かが話してる声がする。二人くらいかな?

 徐々に声だけだったのが、うっすらと映像も見えるようになる。僕は、目の前の人物と仲良さそうに話していた。


(誰だろう、この人……)


 そう頭では思っていても、口は勝手に動いていく。

 顔がより鮮明になり、はっきりと見えた時、自分が話していたのは一人の男の人だった。年齢はそこまで離れていないように感じ、大体二十歳過ぎくらいに思われる。


 腰の近くまでありそうな青っぽい黒髪の毛は、後ろで束ねられていていた。騎士のような格好をしていて、活発そうな印象だ。


 僕の口はずっと喋り続けていて、男の人はずっと楽しそうに笑っている。それを見て、なぜだか僕も楽しくなってくる。その人が僕の話を楽しそうに聞いてくれていると言うだけで、とても嬉しくなる。


 声は鮮明に聞こえないけれど、雑談をしているのはわかる。


 ああ、このままずっと話し続けていたいな。


 そう思った時だった。あの黒いものを見たのは。

 なにかがこちらに向かってやってくる。それだけが分かった。きっと邪悪なものが近づいているのだろう。嫌な気配が近づいてきていると、頭が警鐘を鳴らす。


 それなのに、男の人はおろか、自分でさえも気配のある方向を向こうとしない。


(どうして、どうして体が動かないの……!)


 だんだんとそれが近づいてくるのがわかる。

 はやく、早く逃げないと。知らせないと。

 必死に祈った時、男の人は気配に気づいた。


「───!!」


 男の人は焦りを顔にうかべて、僕の体を押した。強い力で押された僕は、思わずその場に倒れる。

 倒れた時にやっと見えた真っ黒なそれは、男の人を襲うようにして突き落とす。


 そこで、自分がどこにいたのか気づく。


 ここは、──雲の上だ。


 僕の体は、すぐさま雲の下を見る。空を物凄い勢いで落下する男の人と謎の黒いものは、すぐに別の雲の中に隠れていき、その姿が見えなくなってしまった。


 心臓がバクバクして、目から熱いなにかが溢れ出てくる。やっと聞こえるようになった声は、必死に叫んでいた。

「レイ!!」

 

 

 

「はっ!」

 シエルはベッドから飛び起きる。

(今のは……夢だったのか……)


 すぐそこにある窓を覗くと、見慣れた街の風景が見える。やはり、夢だったようだ。

(それにしても、だいぶ変わった夢を見たな……)


 今まで、こんな夢は見た事がなかった。今でも、手は冷たくて、小刻みに震えている。どうしようもない恐怖が、僕のことを襲う。


 なんでこんなに怖がってるんだろう。


 たかが夢なのに。人が空の上から落ちるだなんて、そんなおかしな夢を見ただけなのに。それなのに、いつまでたっても体は震え続ける。


 怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。


 行かないで。


 僕を置いていかないで。


 ひとりにしないで。

 

「ごめんね……」

 涙とともに零れたその言葉は、一体誰のために放たれたのだろう。

みなさんこんにちは!そしてこんばんは!

今回のお話はどうだったでしょうか?


シエルちゃんが不思議な夢を見て飛び起きていましたね。たまにありますよね、意味わかんない不思議な夢。

私も前に、お母さんがジブリの映画さながらのブタさんになる夢を見たものですよ。怖かったなぁ……。


まあ、そんなことより……。

今回シエルちゃんが見た夢は、どんな意味が込められてたのでしょうね。(夢占い的な?)


では、次回をお楽しみに!


さいなら~

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