表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガラスの街  作者: chisa
5/13

第五話 秘密の部屋

「こんなことがあったのですね……」

「ええ、私達も神託を受けるまで、このことは全く知りませんでした。なにせ、この部屋には基本的に自由な出入りは禁止されているので」


(この部屋に出入り禁止?! え、僕いま入ってるけど……)

 もしかして、今自分はとてつもないことをしているのではないかと心の中で慌てていると、聖女がふふ、と笑って説明してくれた。


「今は緊急時ですし、入っても大丈夫ですよ」

「そ、そうなんですね……」

 どうやら、思ったよりも表情にでていたらしい。すぐに頬に熱が集まるのを感じた。


「それで……」

 聖女が語りかけたとき、一気に空気が真剣なものになったのを感じた。たった一言で空気を変えられる聖女は、やはり特別な存在なのだろうか。


「守護者というものがどのようなものか、理解していただけたでしょうか」

「はい……。現れた厄災を収める、ということですよね?」

「ええ、いざとなったら倒しても構わないです」

(え……?)

 エルシス様がようやく厄災を収められたというのに、ただの人間である自分に倒すなどできるわけが無い。


 それに、なぜだか倒したくない、と思った自分がいた。かわいそう、と思っているのかもしれない。しかし、もっとなんというか……。心の奥底がズキズキするような感じがした。


「倒して……しまうのですか……?」

「はい。封印するだけだと、また数百年後に暴れだしてしまうかもしれません。その事を考えると、倒してしまうのが一番良いかと思います」

「……そうですか」


 たしかに、また犠牲が出るかもしれない厄災を封印するだけでは安心できない。

「わかりした。では、厄災を倒せるよう、がんばります」

「そう言っていただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます」

 そして聖女はお辞儀をした。やはり、聖女様にこうも恭しく扱われるのは慣れない。


 そういえば、一つ気になっていた事があった。

「厄災とはどのようにして戦えば良いのですか? まさか、素手とか……」

「あっ、その点についてはご安心を。この後、もう一つ寄らねばいけないところがあるので、そこで説明させていただきますね」


 どうやら、素手で戦うわけでは無さそうだ。さすがに多少筋肉があるシエルでも、未知の生物と丸腰で戦って勝てるほどではない。

 武器の一つや二つが無いと、そもそも戦いにさえならないだろう。

(どんな武器があるんだろう……)

 まだ少年の年頃であるシエルは、少しワクワクしていた。


 その間、聖女はなにやら本棚の方を弄っていた。何冊か本を取り出した後、壁に付いていたレバーを下げた。

 ガシャンッ、という大きな音の後、シエルの背後側の本棚が二つに割れていった。


「えっ、なにこれ?!」

 あまりにも突然のことに、シエルは驚いて声を上げてしまった。神官たちもこのことは知らなかったのか、たいそう驚いている様子だった。

 聖女は足元に置いてあったランタンを手に持って、本棚が開いた先の道を照らした。


 その道を見てみると、うっすらと奥の方に扉らしきものがあるのが見えた。

「これは……」

「あの奥には、厄災と戦う時にあなたが使うべきものがあります。私も入るのは初めてなんです。足元に気をつけて着いてきてください」


みなさま!こんちには、そしてこんばんは!

chisaです( *´꒳`*)

今回はシエルちゃんが秘密の部屋へと誘われるところで終わりましたね~。

一体、その奥には何が待っているのか……。

そういうお年頃のシエルちゃんはさぞかし楽しみにしているのでしょう。

次話では、シエルちゃんと武器がご対面します!

どんな武器が待ち受けているのか……。お楽しみに!


それでは、さいなら~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ