Ⅲ 水を求めて
食料はしばらく大丈夫だとして問題は水だ。
部屋の中は涼しい。
熱中症になるかは知らないがその心配はない。
トカゲがどうかは知らないが人間だった頃は3日水を飲まないと死ぬと言われていた。
つまり今の問題は水だけだ。
食料の問題もあるのだけれどそれは一旦放置する。
今はなんとしても水分を取らなくては。
水を手に入れる方法を考える。
1、穴を掘り、水脈を探す
2、壁などにつく露を集める
3、扉の外に出て水を探す
今できるのはこれくらいでしょう。
とにかくできるものからしていく。
・・・・・・
だめだ。
まさか全部うまくいかないとは。
1、穴を掘ることはできたが、何故かすぐ塞がってしまう。
2、そもそも洞窟の中では露が発生しなかった。
3、扉のが開くのならばもう開けてます。
これ、また詰んでるのでは?
もうだめだ〜
一回寝て落ち着こう。
息抜きも大事だよね、うん。
どうやって寝るか迷ったが、壁に寄りかかって座って寝ることにした。
壁がひんやりしていて気持ちいい〜
ん?ひんやり?
確かに部屋の中は乾燥していない。
むしろ湿っている。
つまりここの壁は・・・・・・
さっきも言ったが壁を掘ることは簡単にできた。
崩れた岩の一部を手に取ってみる。
うん、確かに少し湿り気がある。
これなら水分を・・・・・・
いやだめだ、というかしたくない。
なんとかして水だけ取れないか?
ここにあるものではできそうにない。
今は人間でないのだし、なんとかなるのでは?
でも・・・・・・
ええい、悩んでもしょうがない。
他にすることがないんだ。
私は岩にかじりついた。
やっぱり固かったが砕けなくもない。
ゆっくりかみ砕いていく。
何故だろう。
これ、うまいぞ。
味覚狂ったかな?
固く食べごたえがある上に、味そのものはまろやかだ。
それでいて飽きない。
喉も潤った感じがする。
私はしばらく岩を削っては食べ続けた。
むなしっ。