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何気ない事で喧嘩もたまにはいいね!

作者: 七瀬








僕と彼女は、結婚してから喧嘩をしていない!

付き合ったばかりの時は、よく些細な事でも喧嘩もしたのに、、、。

今は、まったくしなくなった。

しないと言うより、話もろくにしなくなった。

お互い、同じ部屋に居るのに全然会話がない。

彼女は携帯電話ばかり見ているし、僕はテレビを見ている。

会話と言ったら? “今日の晩御飯は?”“もう寝るわ!”

彼女も、“うん”とか“分かった”とか短い言葉で返してくる。

僕の顔も一度も見ないで、返事をするから。

彼女は、僕の事を見ていない時もあるのかな?





・・・そう考えると?

僕も、彼女の事を見ていないのかもしれない。

毎日、家に帰れば妻である彼女が居るし。

家のことは、すべて彼女に任せっぱなしだ!

僕は、当たり前のように晩ご飯を食べ風呂に入りベットで寝ている。

洗濯も掃除も妻が何でもするから僕の仕事は家ではない。

だからなのか? 妻に感謝の言葉を言ったこともないし。

そんな風に思った事もなかった。

ふと、喧嘩にならないのはそういう事なのかと思う。

僕が、彼女に興味をなくしているからなのかもしれない。

よく“釣った魚に餌をやらない”という言い方があるけど?

僕は、まさにそういうタイプの男みたいだ!

彼女の誕生日もねぎらいの言葉も結婚記念日も何もしたことがない!

結婚すれば家族になるし、そんな事はしなくてもいいと勝手に僕が

思っていただけ。

彼女は、きっとそんな風に思っていなかっただろうに。

“夫婦の関係”は少し僕には難しい。

彼女でもないし、好きな女性ひとでもない!

僕の妻になった人だ! 僕の家族になった女性ひとだ!

なんだか、一緒に居ると? 照れくさくて素直な気持ちを彼女に

言えない僕もいる。

たまには、妻である彼女に何かしてあげたいと僕は思うようになった。

感謝の気持ちを伝えるのは苦手だけど。

伝えないと僕の気持ちがおさまらない!

僕は、思いきって彼女に言ってみた。



『・・・あ、あのさ! 次の日曜日、“二人でデートしないか?”』

『えぇ!?』

『たまには、いいだろう!』

『貴方がそんな事を言ったら? 次の日曜日、雨が降りそうね!』

『えぇ!?』

『だって! 貴方、“雨男”じゃない!』

『・・・そ、そうだっけ?』

『そうよ!』

『でも、行くだろう!』

『うん!』







やっとなんとか、妻と会話ができた!

次の日曜日は、雨が降りませんように...。

そう、僕は願ったけど。

やっぱり、、、。




『しょうがない人! また雨降ってるわよ!』

『えぇ!? 嘘!?』

『本当よ! でも、車で行くんでしょ?』

『・・・ううん。』

『今日は、水族館でいいわよ。』

『あぁ! 水族館に行こう!』

『ほんと、バカ!』

『仕方ないだろう~雨なんだから~!』

『“雨男”だからでしょ!』

『・・・・・・』

『もう、落ち込まないでよ、行くわよ!』

『・・・あぁ!』







たまには、こういうのもいいな~

幸せって、小さな事の積み重ねなのかもしれないね。

僕は、そう思うだ!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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