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論理的な愛の物語
二人の空間になり沈黙がしばらく続く。
我慢出来なくなりシュタインがそっと口を開いた。
「いや、用がないなら呼ぶなよ。こっちだって午後から用事あって忙しいんだから。」
……
相手もそれに続き口を開いた。
(さっき喧嘩してた内容で食い違いがあったから、文章だと作業中で両手ふさがってるし口頭の方がいいと思って呼んだ)
……
「なんで呼び出されたかは分かったけど、ボイチェン使うのやめろよ。鬱陶しい」
(ボイチェン使ってても内容聞き取れてるんだから問題無いだろ)
男は相変わらずボイスチェンジャーを使い会話を続ける。
その様子に苛立ちを覚えたシュタインは、通話から落ち午後からの講義に向かう為の準備を始めた。
相変わらずyeyの通知音が狭い室内に響き渡っている。
歯ブラシを口に咥えながら、慣れた手つきで文章を打つ。
【今から学校だから帰ったら相手してやるよ。】
そう返信をしたシュタインは飲みかけのペットボトルを口をつけ慌てて家を出るのだった。