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86.狙撃手、クッコロを激励する

今日は週末。

そして武闘大会の本戦の前半だ。

何せ128タッグだ、一日で全てを消化できるわけもなく、後半は明日となる。


俺は昼前に起きると、簡単にベーコンエッグを作って朝食を済ませる。

食後にコーヒーを飲んで準備は万端だ。



【Welcome to Earth World Online】



いつもの綺羅びやかなメッセージと共にログインする。


精神状態は悪くない。

俺にとっては2度目の公式イベントなので、過度に高揚することもなく適度な緊張感を保てている。

スナイパーにとって精度は死活問題だ。

間違っても緊張で手が震えるようなことがあってはならない。


本戦開始までまだ少し時間がある。

ふーむ・・・。


俺はフレンドリストを開くと、クッコロにチャットを飛ばす。



『クッコロ、武運を祈る』



すぐにピロン!とメッセージが返ってくる。



『ケンタロか。厳しい戦いになるだろうが、そちらも健闘を祈る』

『厳しいのは間違いないが、お前たちにだって負けるつもりはないぞ』

『ふっ、それでこそケンタロだ。明日の準決勝で待っているぞ』



どうやらクッコロもやる気満々のようだ。

まあ強いからな。

俺はダンチョーとクッコロがタッグで戦うところを見たことはないが、想像はできる。

ナイトのクッコロと、槍使い――ランサーのダンチョー。

極めてバランスがよく、どんな相手にも対応できるタッグだろう。

バランスがいいということは、弱点が少ないということだ。

崩すのは容易ではない。



『そういえばケンタロ。リコッチと付き合うことになったんだな。おめでとう』

『ああ、リコッチから聞いたのか?』

『いや。あれほど浮かれてるリコッチを見れば、誰でもわかる』



浮かれていたのか・・・。

嬉しかったんだろうな。

ぴょんぴょん喜んでいるリコッチを想像して、俺は頬を緩める。

期待に沿える彼氏にならないとな。



『リコッチは一途でいい子だ。くれぐれも悲しませてはダメだぞ』

『無論だ』

『まあケンタロなら大丈夫だろう。信用できる男だと思ってる』



何やら面映い。

とはいえ信用してくれているのは嬉しいので、不義理な行動はしないよう気をつけよう。

ちなみにPKはゲームプレイの一環なので、別に不義理な行動ではない。



『そういえばリコッチから聞いたんだが、もし決勝まで勝ち進んだら優勝候補と戦うことになるんだろう?』

『ああ・・・。キリオとアスラのタッグか』



そんな名前なのか。

確か有名なVRゲームのアニメの主人公とヒロインが、そんな名前だった覚えがある。

一時期どのゲームにも同じ名前をつけるプレイヤーが続出したらしい。

きっとその2人もそのアニメの大ファンなのだろう。



『強いのか?』

『恐ろしく強い。同じプレイヤーとは思えない』

『そんなにか? だが同じルールに縛られている同じプレイヤーだろう?』

『そうなんだが、仮にあの2人だけ三次職と言われても私は驚かない』



・・・ジャッティ最強の盾であるクッコロにここまで言わせるとは、相当やべー連中らしい。

まあ朝から晩までプレイしているなら、スキルポイントを飛び抜けて稼いでいることは間違いない。

俺など足元にも及ばないほど、スキルにポイントを割り振っているのだろうし、武器や防具にも金をかけているのだろう。



『まあ決勝は明日だ。まずは今日を勝ち抜かないとな。そうだろう、ケンタロ?』

『その通りだ。またな、クッコロ。ダンチョーにも武運を祈ると伝えてくれ』

『わかった。また明日だ。ケンタロ』



クッコロとのフレンドチャットを終える。

やはり気のいい奴だ。騎士プレイが板についている。

クッコロのような気持ちのいいプレイヤーとフレンドになれたことは幸運だった。




*****




【武闘大会:本戦・1日目を開催します】



公式メッセージが表示される。

特に控室のようなものはなく、順番が来ると今いるエリアからいきなり闘技場に転送される。


視界が暗転し、真っ暗になる。

そして目を開くと、俺は闘技場の戦闘エリアにいた。

すぐ隣にはリコッチがいる。


「センパイ、がんばりましょ!」


にこっと笑いかけてくるリコッチ。

俺は無言で頷く。



いよいよ一戦目が始まる。

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