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7.狙撃手と他プレイヤー

数日が経過して、俺は見事にVRゲームにハマっていた。

最初はゲームがストレス解消になるのかと疑問だったが、何でもやってみるもんだ。

勧めてくれた会社の後輩には感謝だな。

今度、飯でも奢ってやろう。


そんなこんなで今日も格上の魔物を狩り回っている。

最初に殺されたときの教訓から、今では一匹倒すごとに周囲を確認する癖までついた。

もうすっかり”Welcome to Earth World Online”ってわけだ。



さて、今日も充分狩ったし、そろそろ街に戻るか。

・・・ん?

あれは。


俺は咄嗟に岩陰に伏せる。


遠目に見えたのは魔物ではなく、プレイヤー。

それも3人。男2人に女が1人。

パーティを組んでいるようだ。


考えてみれば当然だ。

この狩場は俺専用ってわけじゃあない。

他のプレイヤーもいる。当たり前の話だ。


どうするか。

近づいて挨拶でもしてみるか?


いや、話しかけて何になる?

彼らの存在は俺にとって何の得にもならない。

俺はできればこの狩場を独占したいんだからな。


俺は岩陰に伏せたまま、しばらく観察することにする。

そういえば真っ当なパーティってのはどういう戦い方をするものか、俺は全く知らない。

いい機会だから勉強させてもらおう。


彼らはデカ熊と対面している。

俺が超遠距離からヘッドショット2発で倒している魔物だ。


見ていると、剣士の男が盾でデカ熊の爪を防いでいる。

それでもHPゲージが減っているところを見ると、あのデカ熊の攻撃力は相当高いのだろう。

まあどう考えても接近戦主体の魔物だしな。


女は神官のようで、回復スキルで剣士のHPゲージを回復させている。

なるほど、こうして前衛を肉壁として運用するわけだ。


そしてもう一人の男はどうやら魔術師らしく、火の魔法でデカ熊を焼いている。

これはなかなか効いているようで、デカ熊が何度も雄叫びを上げている。


そのうちデカ熊が電子の光になって消滅した。

3人パーティの勝利だ。


なるほど・・・。

これが真っ当なパーティの戦い方か。

確かに合理的といえる。


だがこれだと、狙撃手の出番がないな。

もしや狙撃手はパーティに需要がない職なのだろうか?

俺はハズレ職を引いてしまったのだろうか。


・・・。

・・・。


まあいいか。

俺はパーティに需要を求めているわけじゃなく、ストレス解消のためにプレイしているわけで。

怠け者の俺としては、他人に気を使わずに遊べる今のプレイスタイルが気に入っている。

ソロプレイで何の問題もない。


それよりだ。

俺の胸に、一つの興味がムクムクと湧いてきている。


つまり。

このゲームを始めて数日、俺は魔物ばかりを相手にしてきたが。


俺の狙撃は、果たしてプレイヤーにも通用するのだろうか?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今後主人公が使わない、又はそのスキルを使用するシーンが無いのであれば構わないですが、アクティブスキルで出てきたチャージショットと連射ですが、今まで他の銃を使うvr系を見た私からすると、…
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