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1.狙撃手、キャラクターを作成する

俺は田嶋健太郎たじまけんたろう、34歳。男。社畜。


このVRゲームというのは初めてプレイする。

ゲーム自体はそこそこやるのだが、フルダイブ型VRは全くの初体験だ。

このヘルメット(ヘッドギアと呼ぶようだ)を頭に装着して電源を入れるだけで、自分がゲーム世界に降り立つことができるらしい。

すごい時代になったもんだ。


元々、仕事で疲れていたところを職場の後輩に勧められたんだが、いいストレス解消になるってことで興味が湧いた。

毎日クソ上司の嫌味に耐えながら仕事をするのは思った以上にストレスが溜まるからな・・・。

俺は生来の怠け者だから、毎日仕事をしているだけでも精神的に疲れるんだ。

休みの日なんて絶対に昼前には起きないしな。


さて、ベッドに寝転がってヘルメットをスポッと被る。

脱落防止のバンドをしっかりと顎の下で止める。確かにゲーム中にいきなり脱げたら困るもんな。

ヘルメットの側面にあるボタンを押して、と・・・。


おお!

”Welcome to Earth World Online !”という文字が綺羅びやかに目の前に広がる。

視界がぐんぐんとどこかに落下していく感覚に襲われる。

そして・・・次の瞬間にはぱっと目の前がひらけて、キラキラとした不思議な空間に降り立っていた。


”キャラクターを作成してください”という文字が頭上に踊っている。

なるほど、自分が動かすキャラクターの作成か。

よく見るとリアルの俺そのままのキャラクターがこの場に立っている。

どういう仕組みだ? 何かスキャンでもしているのか?

まあいいか。ゲームに細かいことはいいっこなしだ。


さて、どうやら髪型や髪の色、目の色、肌の色などが自由に変えられるようだ。

とはいえ顔かたちや体格は大きく変更できないし、性別はリアルそのままだ。

まあ賛否両論あるんだろうが、俺は面倒くさいのは嫌いだから有り難い。

俺は何も変更せずに、空中に浮いたOKボタンをタッチする。


次は”職業を選択してください”だ。

何々・・・。



剣士、神官、魔術師、狙撃手。



ふむ。俺は考える。

怠け者の俺に合った職業は何だろうか?

動くのが面倒くさい俺には何がベストマッチだろうか。


剣士は却下だ。俺は反射神経がないし、激しく動きたくない。

神官も却下だ。他人に気を配って回復して回るなんてストレスが溜まる。

魔術師も似たような理由で却下だ。

狙撃手は・・・いいんじゃないか?


動かないで遠くからズドンと一撃。

うん、悪くない。

面倒くさがりの俺に最もマッチしているといえる。

狙撃手で行こう。


”武器を選択してください”

弓とスナイパーライフル?

そんなもんライフル一択だろう。

射程も威力もライフルのほうが上に決まっている。


”最後にあなたの名前を教えて下さい”

名前。

このEarth World Onlineでの俺の名前か。


・・・。

・・・。

面倒くさいな。

これでいいか。



”始まりの街へようこそ、ケンタロ!”

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