表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

突っ走りさま

突っ走りさま~すっとぷ編~

作者: pupuriko

楽しんで頂けると幸いです!

「かよ~!お願い~平成を終わらせないで~!!」


どこの町にもある古びた神社で、ポニーテールの女子が巫女姿の少女の肩をがっとつかみ、


「いやだーーー!明日から変わるなんてーー!」


ぐらぐら揺らした。


「うわぁ~ぁ~たっつん、すとっぷ~」


巫女姿の少女…突っ走りさまことかよは、首を上下に振られギブアップ寸前だ。


「ちょっ!やめなって!かよ、願いを叶えるどころか、願いすら聞けないわ!」


黒髪ストレートの女子が割ってはいる。


「えっ!?うそうそ、ごめん!かよ!生きてる~?」


たっつんはピタッと手を止め、今度はかよの右頬をパチパチ叩いた。


「うっ、たっつん…すとっぷ~」


かよの両目は、ばってんになっている。


「ちょちょい!何追いうちかけてんの!」


ストレート女子は、ぺいーんとたっつんの頭を軽くはたいた。


「えっ!ごめん~かよ~!」


「…おーのー…」


かよの魂は抜けかけている。


「さよりん!どうしよ~かよが~!」


あわあわするたっつんに対し


「…あんたが突っ走り過ぎよ」


さよりんは頭を抱えた。


「う~、たっつんの願い事って…?」


お賽銭の為にかよは食いつくが、まだふらふらだ。


ぐぐっとたっつんは、かよに再び近づき


「あのね、へ……」

「お願いします!ヤンキーから助けて下さい!」


3人に長い影が伸びる。

顔を上げると


『……』


極悪ヤンキーがいた。

いや、あんたがヤンキーでしょ!と言いたげな雰囲気が漂う。


そんな空気を感じたのか、極悪ヤンキーはおろおろと弁明する。


「あっ!違うんですぅー!見た目はこんなですけど…違うんです!」


今にも泣きそうになりながら、


「えっとえっと、これお賽銭です!」


お菓子が沢山詰まった袋を差し出す。


するとかよの両目に輝きが戻り、


「おーけー、おーけー!わかったよ!」


笑顔も輝く。


「じゃあ、そのヤンキーの人達をここに連れて来るね!とーくし合えば、きっと分かってくれるはずだよ!」


「えっ?えっと…」


「大丈夫!それに願いは自分で叶えるもの!ではれっつごー!」


青ざめる極悪ヤンキーに対して、キラキラなかよはあっという間に消えた。静かになった境内で全く動かないヤンキーを尻目に、女子2人が立ち上がった。


「たっつん…私も平成が終わるのは寂しいよ。でもね、最後の最後でここが修羅場になるのも、巻き込まれるのもいやだ!」


「うん、私も‼️」


2人はキッと前を向く。


「だから絶対に願いを叶えさせるなーー!」


「ストップだ~!」


2人も猛ダッシュする。

が、さよりんが振り返り


「あなたは念のために逃げた方がいいわよ」


と消えた。


「願い事伝える神社間違えたのかなぁ…」


極悪ヤンキーは魂が抜けたように突っ立っていた。


そして、ここから願いを叶える突っ走りさまと、阻止する者の追かけっこが、日が暮れるまで続いた。

読んで頂きありがとうございます!新しい元号でもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ