不安
僕は逃げた。
逃げて逃げて、逃げ続けて今ここにいる。
必死に逃げて、でもまだ「それ」が追いかけてくる。
だからずっとずっと逃げ続ける。
僕だって、いつまでもこんなことしてちゃいけないって事は分かってる。
でも駄目なんだ。一度逃げてしまったから。
一度でも逃げると、「それ」は留まるところを知らず、雨上がりの川の濁流みたいに、僕を押し潰さんとばかりに追いかけてくる。
それが怖くてまた逃げる。
逃げてしまったから、また逃げる。
それのくり返し
こうして僕はずっと「それ」から逃げ続ける。
何から?