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詩*見つめて*

作者: a i o


文字は

組み合わされいつしか

森となった

散りばめても散りばめても

膨大な木々の緑

その奥底の繁殖と死


囀りをチチチと載せて

鳥を放つ

あちらこちらに

鳴き声を打つ


あ、と芽が出た隙に

会いたいと並んだ

愛しているとも

あなたしかいないとも……


森が育んだ恋人たちは

その中で愛を深め

時に争い

仲直りをした

悲しみに打ちひしがれた時

森は雨を降らせた

さあさあとも

ザアザアとも

しとしととも降らせた


二人は幾度も森で横になった

時折髪に触れ

文字を並べた

遠くまで

遠くまで並べた


背の高く高く伸びる木もあった

ぐんぐんとそれに付け加えた

横に枝を広げるばかりの木もあった

その日陰で朽ち果てる若木もあった

そして土壌には

沈黙が満ちていた


森は見知らぬどこかを目指し

繁殖を続け

二人は去り

また新たな二人がやってきた

大勢の時も

一人の時もあった

怒りに突き上げられた突風が

たくさんの葉を揺らした

喜びに呼応するように

目映い光を生み出すこともあった


森は一瞬たりとも

同じ姿ではいられなかった

だけれど変わらず

濃く深く賑やかで

脈はなくとも熱を持っていた


森の中で幾度も

若葉は萌え

落ち葉はついに

土壌に迎えられ静かに逝った

いつか生まれ変わるために……

沈黙が覆う

一握の

傷つきやすい柔らかな感情として

瑞々しく尖った精神として

輪郭のあわいを

いま

突き抜けるように……






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