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その島で。  作者: 流麗
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謎のロボット


「ええっと、これからどうするの?」

学園のマドンナ、牧野さんにそう聞かれたが、生憎僕にはサバイバルの経験がないのでありきたりな事しか言えない。


「とりあえず、人里がないか見て回ろうか。」

「そ、そうだな。そうしよう。」

ここにきてようやく現実を理解したのか明彦も会話に入ってきた。


ちなみに茶目さんはさっきからボーっとしてるし、俊輔と木田くんは現実から逃げている。廣田くんは目を閉じてじっとしている。それだけでなんか怖い。


なにはともあれ、 じっとしていては埒があかないので全員を現実に引き戻して移動することにした。



そして3時間後。

「……ん、ここ俺達が起きたところだ。」

廣田くんが初めて喋った。

と思ったら確かにそこは僕がみんなを見つけた場所だった。よく見るとみんなが打ち上げられた時にできたくぼみがある。


「ほんとだ。

……にしても、これだけ歩いて成果ゼロかよ……」

明彦は打ちひしがれているが、成果が全くなかったわけではない。


「いや、そうでもないよ。いろいろ落ちてたし。」

木田くんが言う通り、島の周りには多数の旅行用トランクが流れ着いていた。おそらく僕達が乗っていた飛行機に積まれていたものだろう。


「アタシのカバンもあったよ!見て見て!」

おかげでそれまで黙っていた茶目さんが(必要以上に)元気になった。


「で、でも……僕達以外は誰も流れてきてないみたいだね…」

俊輔は完全に悲観してしまっている。

どうしようか。


「まぁそう悲観することもないさ。

これだけの衣類とお土産用の食べ物があるんだ。

しばらくは落ち着いて作戦を考えられる。」

そう励ましてみたら、俊輔の顔色も少しマシになった。



「暗くなっちゃう前に、取り敢えず水場を探しましょ?」

ナイスだ牧野さん。これで次の目的が決まった。


「そうだね。

バラバラに行動するのは危ないし、みんなで一緒に森の中に入ってみようか。」




約1時間みんなで森の中を歩き回り、なんとか水が湧き出てる岩を見つけた。そこそこの量が出ているので、とりあえずはこれで凌げそうだ。


「漂流した荷物の中にペットボトルがあったから、それに水を貯めようか。」

さすが木田くん。頭がいい。



キャリーバッグが漂流してる一帯に戻り、ペットボトル5個とカロリーの高いチョコレート、腹持ちのいいクッキーを持って水場に戻った。

とりあえず水を貯めよう。



「……これ、ずっと手で支えてないと水が溜まっていかないな。」

思わず漏れた僕の呟きに木田くんが頭を抱える。


「あ、ごめん木田くん。

これ、どうすればいいと思う?」


「そうだね…ロープがあれば水が湧き出てる所とペットボトルの口に刺して繋げることが出来るんだけど、そんなもの無いからね……」



僕達が無いものねだりをしていたら、小用を足しに離れていた廣田くんが戻ってきた。


「なんだお前ら、辛気臭いツラしやがって……

ちょっと来い。向こうで変なもん見つけた。」

「「変なもん?」」

なんだろう、変な物って。


「ねーねーなんなの?変なもんって??ねーねー?」

こういう時廣田くん相手に物怖じせずに質問できる茶目さんは得な性格だと思う。

「俺もよく分からん。」

まぁこの場合、とくに意味はなかったみたいだけど。



廣田くんに連れられて「変なもん」の所まで来た。

「……何かの…機械……?」

「な?変なもんだろ?

なんだと思う?」


それは、近未来系のゲームに出てきそうな何らかの機械のパーツをめちゃくちゃに組み合わせたような物で、森の中だと非常に異質な存在感があった。


スイッチや取手などが無いか木田くんと俊輔が見ているが、それらしいものは無かったらしい。



「あれみたいじゃない?えーと、トーテムポール?」

茶目さんの小学生のような感想に納得してしまった自分が悔しいが、一度そう思うともう機械仕掛けのトーテムポールにしか見えない。


僕達はそれを「メカ・トーテム」と勝手に命名して水場に戻った。


日が傾いてきた。これ以上行動して途中で夜になると危ないので、今日はもう寝ることにした。



「…このままじゃお菓子しか食べられないから明日は火をおこしてみよう。」


独り言のつもりだったのだが、これに廣田くんが反応した。

「火ならあるぞ?適当に木とか集めて燃やしてみるか?」

なんと廣田くん、ポケットからライターを取り出したのだ。

(なんでライターなんか持ち歩いてるんだろ……聞かないでおこう。)

と、思っていたのだが

「えー廣田くん修学旅行でタバコ吸ってたのー?」

茶目さん、ちょっと黙って欲しい。


せっかく乗り気だった廣田くんが面倒になって寝てしまった。


僕は空気を読まず廣田くんに話しかけ続ける茶目さんをなんとかなだめて寝るのだった。

ロープと、出来ればナイフがあれば便利なんだけどなぁ……




翌朝僕が起きると廣田くんの姿がなかった。


「まさか昨日のことで拗ねてどっか行っちゃった!?」

「…拗ねてねーよ。……小便行ってた。」



なーんだ、トイレかぁ……


廣田くんからタバコの匂いがする気がするんだけど、気のせいだよね。


「ところで、昨日の…メカ・トーテムだったか?の前に落ちてた。」

そう言って廣田くんが僕の元に放り投げたのは、直径2センチ、長さ50メートルくらいのロープとサバイバルナイフだった。



僕が寝る前に欲しがってた物がピンポイントで落ちていたらしい。



(ただのラッキー……なわけないよな。どういう事だ?)

テレビでオリンピックの速報見ながら書いたので誤字があるかもです。

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