初めての電話①
電話が来る前に、少しだけごはんを食べようとしていたら、またメッセージが来た。
メッセージを読んだ私は、高橋さんってこういう気遣いが出来る人だなぁ…と改めて実感した。
急いでごはんを食べて、お風呂に入ってメッセージを送信した。
そしたら、電話の着信が鳴った。
緊張しながら、電話に出た。
「…も、もしもし?」
『あっ、高橋です。今、大丈夫ですか?』
さっきまで高橋さんといたのに、また話せるなんて嬉しい。
「大丈夫ですよ。お待たせしてごめんなさい。高橋さんも大丈夫ですか?」
『大丈夫です。いきなり本題なんですけど、祭りは何時頃が良いですか?』
「私は、何時でも大丈夫です。高橋さんが大丈夫な時間で…」
『夕方の17時頃とか大丈夫ですか?』
夕方の17時頃は、大丈夫だよね…と頭の中で確認して返事をした。
「大丈夫です。待ち合わせ場所は、どこにしますか?」
私と高橋さんが住んでいる所は、遠いんだよね…と思いながら、聞いてみた。
『月夜橋は、どうですか?』
「大丈夫です。だけど、高橋さんは少し遠くないですか?」
私の家が近い場所の橋だから、高橋さんにとっては大変じゃないかな…。
『そのぐらい大丈夫です。それに、長野さんが迷子になったらいけないので…』
「こ、子供じゃないですよ」
高橋さんは、私の事をよく子供扱いする。
少しは、女の子として見てほしいなぁ…と思ってしまう。
外見も中身も子供っぽいからかなぁ…と落ち込みそうになっていたら、こう言われた。
『…前に、祭りで友達とはぐれたって上原さんと話してるのを聞いてて…言っちゃいました。すみません』
あの話、聞いてたんだ…と思うのと同時に、申し訳ない気持ちになった。
「私こそ、ごめんなさい。高橋さんは、気遣って下さっているのに…」
せっかく、楽しく話していたのに…私のせいで暗くなりそうで…反省していた。