幼少期3
お久しぶりです。
「ワンワン!」
部屋に入って来たのはめっちゃ小さな子犬でした。
「あら、ハンス!」
もうめんどくさいから、いきなり翻訳しちゃうよ!
どうやら部屋に入ってきた子犬は、ハンスって言うらしい。
ハンスはママンに抱き上げられて、私が寝転んでいる子供用ベットに入れられた。
っておい!
子供と犬を一緒にしてもいいの!?
噛まない?
ところが、私の不安は全く外れてハンスは私の頬をぺろぺろと舐めてきた。
それもめっちゃ熱心に。
それは口の周りにも及んで、流石に少し嫌になったので寝返りをうってハンスに背を向ける。
するとハンスも顔に着いてきて、ぺろぺろと舐め続けた。
「うぎゃー!(口は息しづらいから嫌だつっの!)」
「あらあら。ハンス、口は嫌みたいだからやめてあげて 」
侍女さんがそう言うと、ハンスは賢いことにすぐやめた。
そして、静かな目で私を見る。
その目は、まるで捨てられた子犬の様で、私は仕方なく起き上がってハンスに向けて手を差し出す。
するとハンスは嬉しそうにこちらに寄ってきて、私の手をぺろぺろと舐める。
そして何故かママンの方を見て、困ったようにキューンと鳴いた。
「あら、いいわよハンス。やって見なさい」
何だか分からないけど、ママンはそう言ってハンスを応援?しだした。
「ワン!」
ハンスは一声吠えると、その姿は段々と犬から遠ざかって行き、遂には私より少し大きい人間の男の子になった。
ありがとうございましたm(_ _)m