平穏ライフは着実に崩れだしている!?
『キーンコーンカーンコーン』
やっと午後の授業が終わったのだ。
いつもから授業には身が入っていないが、今回は際立って入っていない。
それはそうだ、今日の昼あんなことがあったからだ。
『私と同属だね』
思い出しただけで寒気がした。なんとも言い表せない感じだ。
「クソッ!あいつのせいで俺の昼が・・・」
今度あったらなんて言ってやろうかと思ってると彼女はやってきた。
「やぁやぁ、元気しているかな?」
某全国模試一位並に女を殴りたいと思ったのは生まれて初めてだ。
なんてことを思いながら俺はこう言った。
「んで?今度は何?また変なこと言うつもりかい?言うなら鏡にでも入ってくれ。絶対に同類だから」
なんて、さっきのことを交えながら毒づいた。
「いやだな~さっき約束したでしょ?」
「ん?さっき約束したか俺?・・・・まったく思い出せん。」
「だーかーらー、私の弁当あげるって話だよ!もう・・・」
今、クラス中の男子からの目が俺に突き刺さったがこの際どうでもいい。
正直、昼が食えれば俺としてはもうどうでもいい。
てか、こいつも飽きるだろ・・・
「オーケー、さっさと食わせてくれ」
と半ばヤケになって答えた。
(まったく、俺のパーフェクト平穏ライフを返してくれ・・・)
放課後といえば部活や友達と遊びに行くだろう。
俺も例外ではない。でも一言で片付けるとめんどくさい。
はい、終わりQ.E.D証明完了。
これほどわかりやすいことはないだろう子供でもわかる。
わかる?わからないかー、じゃあ幼稚園にもう一回戻って。
そんなこんなで、今日も教室ではそんなやり取りがされていた。
俺もそのはずだった。でも、今日は違った。
「はい、あーん」
はぁ!?何でこんな状況になってんだ俺?今日死ぬの?それとも明日?
なんて軽い思考停止状態になっていると急かして来た。
「はやく食べてよ!持ってる手が疲れちゃうから!」
なんか、怒られた。なんで俺が怒られてるの?ねぇ?教えてよ?
腹から声出せ!って言いたくなった。なんとなく。
なるほど、青春か・・・青春は難問って聞くなぁー
って全然ありがたくねぇ!!!むしろ白秋のほうが何倍もいいよ!?
さっきから俺の頭がヒートアップからのオーバーヒートしてるよ!?
ひゅうがは とくこうが ガクッとさがった。
ああああああ!!!もうどうすればいいんだこれ!?
「はーやーくー、聞こえてるー?」
急かすんじゃない!聞こえてるわ!対処できてねぇんだよ!
クソッ、覚悟を決めよう。そしてこいつと関わらない覚悟も決めよう。そうだ、それが一番だ。
やってしまえ!男日向逝きます!って字が違うわ!
「聞こえてないのかなー?じゃあ、勝手に食べさせるか。えいっ!」
あああ!!字なんかでボケてる場合か!?覚悟を決めただろ俺!いざまいら・・・
『パクッ』
え?なんか今口には言ったよ?何だこれ・・・卵焼きかな?
ってウマッ!?え、これ卵焼きなの?俺が今まで食べてたのって羽毛だったのか・・・
なんて、また連想ゲーをしていると菊田は問いかけてきた。
「どう?私の一番の得意料理なんだけど・・・おいしい?」
ハイ、おいしいです。お店で出せるレベルです。
なんて言うと負けた感じがする・・・捻くれた回答でもしておくか。俺らしいし。
「あ、ああ、おいしいよ。だってお腹すいてるからな」
そう言うと菊田はムスッとして怒り口調で言ってきた。
「なら、満足するまで毎日卵焼き作ってきてあげるよ!!」
は?この子お頭が弱いの?なんでさっきの回答から毎日作るにつながるんだよ?さっきので普通終わりじゃない?
ってか自問自答がさっきから多すぎて自分でも引く・・・
いや、この発想力こそが今までの軌跡になってるんだ。俺って最強。
って、馬鹿!そんなことは今重要じゃない。この考えを改めさせなければ・・・
「い、いいよ、毎日って大変だろ?てか、さっきのは俺の性格的に素直にいえなかっただけであってだな・・・その、わかるよな?」
少し宥めるような口調で菊田に言い聞かせる。頭のいいお前ならわかるだろ?なぁ?
だが、返ってきた返答はまるで天変地異でも起きたのかと思うくらいの真反対。
「ヤダッ」
oh・・・ここまで来ると逆に清清しいぜ。
いや、待てよ・・・むしろ毎日作らせ続けて卵の代金分奴に損をさせればいいんじゃないか?
日向脳内『卵買うお金がなくなる→卵焼き作れなくなる→俺に作れなくなる→関わりがなくなる』
よし、これだ。この手を使おう。いつも通りの下卑た考え!そこにひびれるゥ!憧れるゥ!
「おう、じゃあいいぜ。ただし俺がうまいって言うまでだぜ。絶対だぜ!」
「もちろんよ、女に二言はないわ!」
「それ、男じゃねぇか?」
菊田の顔が赤くなる。
「うっさい!べ、別にいいでしょ!」
「へいへい、わかりましたよ」
なんかやり返した感があって気分いいぜ。流石俺。俺強い系ラ○ベ出せるわこれ。
なんてことを考えているとさっき聞いた爆音が耳に入ってきた。
『キーンコーンカーンコーン』
これは最終下校の鐘だ。早く帰らなければあいつに捕まってしまう・・・
「おい、早く帰るぞ。あいつに捕まるぞ」
「え?あいつって誰?」
「あいつって言えば有名だろ理科の担当のTHE・変人女教師(独身):笠島八積だy・・・」
ん、誰だ?こんなハイパーマッハで急いでいる俺の肩を掴んでくるのは?
何気なく振り返るとそこにはいてはいけない『あいつ』がいた。
「ん~?なんだって~?誰がTHE・変人女教師(独身)だって~?」
ざんねん!私の冒険はここで終わってしまった!てか、独身って口に出してないんだが?理不尽じゃねぇか俺?
「ちょっと理科室まで面貸せよ~ひゅ~う~が~」
おい、待て菊田。テメェ何逃げようとしてんだ?
「せ~んせ~、菊田が逃げようとしてまーす」
「ほう、面白い一緒に理科室に来い」
「いや、あの私用事がありまs・・」
「来るよな~?」
「・・・はい、行きます」
ざまぁみろ!俺を見捨てて行こうとするからだ。フハハハハハハ
いや、そんな目で見てくんなよ。自業自得だろ、おい。
「お前ら、そんなに目を合わせてどうした・・・ 私への当て付けか?」
「「い、いやそんなんじゃ」」
「面白い、この後たっぷり絞ってやる・・・」
うえへぇ・・・ 一番めんどくさい展開になった。どうするべきか、打開する方法は・・・
「のろのろ歩いてるんじゃない!それとものろのろと惚気でもかけているのか?」
「そんなつもりは・・・」
「じゃあ、シャキッとついて来い」
打開すること事態が無理でした。本当にありがとうございました。日向先生の次回作にご期待ください。
なんて馬鹿なノリツッコミしてる場合か!?打開する方法は・・・うん、ない。
ねぇわこれ。むしろどうするか教えてほしいよ。数学の未解決問題にでも入るレベルだよこれ。そんなことを思いながら俺は思った。
『めんどくさいことなく無事に家に帰りたい・・・』
やめて! 独身変人教師の特殊能力で、成績が焼き払われたら、闇のスクールライフで成績と繋がってる日向の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで日向! あんたが今ここで倒れたら、菊田さんや卵焼きの約束はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。これを耐えれば、独身に勝てるんだから!
次回、「日向死す」。デュエルスタンバイ!