どうなる俺の平穏ライフ!?
俺は16歳ごく普通の学生。
名前は『高岡日向』
ただただ毎日を平穏に過ごしている。
そして周りにはいい奴と思わせているが、中身は常日頃から下卑たことを考えている捻くれもの、と俺を知っている奴には言われる。
そんな気はない、失礼だな。俺は俺の考えを持っているだけだ。その一つを言おう。
『人なんてただのチェスの駒、いつでも切り捨てる』もうこれただの言葉だけど。座右の銘のつもり。
なんてことを考えているが、基本面倒なことはしたくないので何もしないこれがモットー。
『超エコ&ゲス人間』と呼ばれたこともあったっけ?でも、なんとも思わない。
人生は平和に荒波なく無難に生きていくもの。
そのためだったら何でもするだけなんだ、その過程がどうであろうと構わない。
ただ平和に満ち溢れた生活を送りたかっだけだった。
そう、つい五時間前まではなんともない村人Aだったが、なぜだか学年一の美少女と美人教師が俺を脅迫されていた。
いや、むしろ俺は話の輪にすら入れてもらえず、話が終わった時にはもう自動的にその状況が作られていた。
そして抵抗は二人には聞いてももらえずこの部に入れられてしまった。
スルースキルと論破スキルなら誰にも負けずに、
人付き合いでは無双を誇っていたと自負していた少し前の自分をただ無言で殴りたい。
いや、むしろ誰かにられに行くレベルだと思う、うん。
その事件が起こったのは入学式から2週間経った時のこと。
俺が勝手に無駄に熱いと分類した体育会系の担任がこう言った。
「高校の部活は最高だぞ!!まずはだな・・・・」
俺はそれをいかにも熱心に聞いているふりをして、聞き流していた。
だって聞いたって意味がないし、その聞く時間を妄想に回したほうがよっほど有意義だと思う。
なんて馬鹿なことを思いながら一人の世界に入っていく。
それも種が切れてしまい 窓の外を見たり、教室を見渡したりしていた時に一人の少女と目が留まった。
俺と同じように聞いてるようで聞いてないようなフリをしている。
「まぁ、聞いても意味ないよな」
「それよりも誰と仲良くすれば学校生活を平和に過ごせるかな。ってもいざとなればすぐ切り捨てるし」
と誰に話しかけるわけでもなく独り言といつもの下卑たことを言う。
すると少女は急にこっちを見てきた。
目が合った瞬間そいつはニヤりと笑った。
なぜだか俺は寒気がした。
身近にこんな笑い方をする魔王がいたからだ。
おっと、また寒気がした。
そんなこんなしていると担任の話は終わっていて、昼休みに入っていた。
購買に行ってパンを買って俺のベストスポットへ行こうとしていた時のこと。
「ちょっといい?」
ん?誰だ、こいつは?そんなことを思っていると、俺は手を引かれるがまま引かれて屋上にいた。
本来はパンを買ってから以降と思ったのに、なんてことを思っていると。
てか、連れてこられる時にすごい睨まれたんだが?なんかしたか俺?なんてことを思っていると彼女はこう切り出した。
「君は私と同じにおいがする」
は?え?この子何いってんだ?もしかして中二病とか患ってる感じですか?
うわー、やばい奴に捕まったと思って適当に流してパンを買いに行こうとすると、彼女は慌てた様子でさらに続けて言ってきた。
「あ、ごめんなさい!私ったらまたこんなこと言って。私の名前は菊田巌根。」
ん?今、菊田って言ったかこいつ。確か学年トップの美少女で、学力も相当上って噂だったような。
俺はそのことを思いながらながらこう言った。
「そんで、用件ってなに?ここまで連れてきておいて『ハイ、ジョークでしたー』だったら呆れるぜ」
俺はいかにもめんどくさいって感を醸し出して言った。
菊田はハッとしてそれからこう言った。
「君って人のことを何だと思っている?」
何この子、電波なの?それとも天然なの?どっちにしてもやっぱりやばいよ、コレ。
とりあえず、キレイごとでも言っておくか。本音なんて絶対言えないわ。
「それぞれが手を繋いで助け合える、かな?」
自分でも気持ち悪いほどのキレイごとを言ったのだ。今、鳥肌立ったよ俺。
なんて思っていると間髪入れずにこう切り替えしてきた。
「はい、ダウト」
なに、俺らダウトでもしてたの?てか、流石にこれは小学生でもわかるわよな、嘘だって。
てか、言ってて自分でも鳥肌立ったよ気持ち悪すぎだって、うん。
なんてことを思っていると、さらに菊田はこう言った。
「私は人のことを私のために動いてくれる手駒だと思ってる」
「ほら、私は本当のことを言ったよ?君も本当のことを言ってごらん」
何で言わなきゃいけないんだ?言う必要ないだろ?てかお前が勝手に言っただけだろ?
なんて疑問ばかりが思い浮かび、今にも俺の論破スキルを発動しようと思ったときのこと。
菊田は、ジッと見てきた。
そう、それは何でも見透かしてしまいそうな透き通った目だ。
どのくらい時間が経った。
ほんの数秒、ただ見られているだけなのだが、自分では相当な時間が流れたように感じた。
俺はその目に負けたのか本当のことを言った。
というか早く開放してほしいのもある。いや、9割方これだ。べ、別に根負けした訳じゃないんだからね!
なんて誰に言い訳だか、ツンデレ的なことをしているんだかわからないが、
「はぁ、わかった負けたよ。本当のこと言うから昼食わせてくれよ?」
そう言うと彼女は。
「・・・うん!わかった!」
うん?今、間開かなかった?ねぇ、お嬢さん今答えに詰まったよね?
なんてことを考えていると菊田が睨んできた。
「はいはい、わかりましたよ言いますよ。だから睨まないで、俺の豆腐メンタルが・・・」
「早く言ってよー」
「いいか一度しか言わないからな?聞きなおすなよ?」
「ひ、人なんてただのチェスの駒、いつでも切り捨てる。ちなみにこれ俺の座右の銘な」
少し早めの口調でそれを言い切ると、彼女はニヤりと笑いそしてこう言う。てか、最初ビビッてね俺?恥ずかしすぎだろ。
と顔から火が出そうな俺をまったく気にする様子もなく菊田はこう言った。
「やっぱりね。さっき言った嘘と今言ったので確信した」
は?何を確信したんですか?やっぱりこの子やっぱり中二病なのか?と、くだらないことを考えているとさらに続けてこう言い放ったのだ。
「私と同類だね」
開いた口がふさがらない、とはこのためにあるのかと思ったのは今くらいだ。
そんなことを思っていると耳を塞ぐくらいの爆音が入ってきた。
『キーンコーンカーンコーン』
あ、今昼休みだった。そして俺は昼を食べていないことに今気がつく。
「俺の昼休みを返してくれ・・・」
とうなだれていると、彼女はこう言う。
「大丈夫だよ」
カロリーメイトを齧りながら言ってくる。
俺は少し強めに返す。
「俺のパンは?どうするの?」
どうだ、少しは効いたか!なんて馬鹿なことを思っているとこう返ってきた。
「そんなにお腹すいたなら放課後またここに来てよ。私のお弁当食べさせてあげるから」
笑いながら帰ってきたのだ。
もう俺は笑うしかなかった。そしてこう思った。
俺の生活が平和が戻るのを祈るばかりだと。
そんなことを思いながら猫背気味に帰っていくのであった。
だが俺の予想とは考えても見ないことになるとは思いもしなかった。