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掴み損ねた宝石  作者: 河野 る宇
◆かくれんぼ
2/13

*見つけた

 慣れない基地に、特に会いたくもない相手に会いに行く──テンションなど上がる訳もなく、出来ればこのまま引き返したいと肩を落とす。

 攻撃を受けた島のあちこちは未だ破損が激しく、修復のために簡易のプレハブなどが点在していた。

 少女は事もあろうにそのうちの一つに手を伸ばす。

 陸軍の宿舎がプレハブであるはずもないのだが、だだ下がりのテンションはある意味、奇跡を生むのかもしれない。

 修復に使うものなどを置いておくプレハブは広いとは言えない。

「……」

 そこにいた青年と目があった。

 その瞳に釘付けになる──それはまるで、エメラルドのように澄んでいて静かに少女を見下ろしている。

 金色のショートヘア、整った顔立ち。細身だが、服の上からでも鍛えられていると解る体型だ。

「やあ」

 にこりと微笑まれ、「どうも」と思わず少女は返した。

「あの、陸軍の方ですか?」

「陸軍? 宿舎はあっちだよ」

 よく通る声で優しく発し、手を示す。

「ありがとうございます」

「いいや」

 軽く会釈をして示された方に歩く──しかしふと、

「いまのは?」

 そういえば軍服を着ていませんでしたね。25歳くらいでしょうか? 綺麗な男性でしたけど、初めて見る顔でした。

 ゆったりしたブラウンのソフトパンツに前開きのシャツはダークブルー、軍人には見えなかったけれど、どこか一般人とも違うように感じた。

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