賢者の館.7
4人はその後リビングへと移動し作られた食事を囲んでいた。
イオリの横にはアルバートが座り、その向かいに他の2人が座っている。
イオリは改めて横にいるアルバートの方をみる。サラサラの金の髪に空の様な透き通った青い瞳のアルバートはニコニコとイオリのことを見つめていた。
「改めて紹介させてくれ。僕はアルバート、アルって呼んでくれ。イオリの目の前にいるのがエリオット、その横にいるのがレイラだ。」
アルバートからの紹介が始まり、イオリが前を見ると榛色の髪の少年エリオットが赤色の瞳を鋭くさせ不機嫌そうにイオリを見ている。
慌ててその視線に逃れるように隣へと目線を外すと藍色の髪をハーフアップにした少女がいた。髪と同じ色の瞳を持つ綺麗な少女がイオリの方を見つめる。
「レイラよ。よろしくね。あなたが幽霊じゃなくて安心したわ。」
レイラはそういうとニコッとイオリにへと笑いかける。
イオリはそんなレイラの姿を見つめてコクっと頷く。その姿を見て嬉しそうにレイラはより一層笑顔を深める。
アルバートとレイラはイオリのことをニコニコと見つめている。
「よろしくなんかしねぇよ。こんな怪しさMAXのやつなんかと。」
しかしそんな中、穏やかな雰囲気を引き裂く様にエリオットの不機嫌そうな声が響く。エリオットは敵意剥き出しでイオリのことを睨みつめている。そんな姿を見てレイラはエリオットの肩を掴み話しかける。
「ちょっと、そんな言い方ないじゃない!怖がらせるでしょう!!」
「知るか!テメーもアルも得体の知れない奴にベラベラと自分達のこと話すんじゃねぇよ。怪しすぎるだろコイツ。」
エリオットはレイラの手を振り払うと立ち上がって腰から杖を出したかと思うと杖をイオリへと向けた。
突然のことで不思議そうに杖を見つめるイオリの前にアルバートは手を出してイオリを庇う。
「エリオット、君が疑うのはよく分かる。だけども僕らと同じ様な年の子が危険なことはないだろう。それに...。この子は大丈夫だ。」
「はぁ⁈何を根拠にそんなこと言ってーー」
「大丈夫なんだよ。そう、そういう気がするんだ。」
エリオットの言葉を遮ってまではっきりそう言うと、アルバートはエリオットを真剣な表情で見つめる。エリオットはそんなアルバートの目を見つめ返すと
「、、、はぁ。もう良いよ。わかった勝手にしろよ。」
エリオットはため息を付きながら杖を腰にしまうと椅子へと座り直す。
アルバートはそう言ったエリオットに満点の笑顔を向ける。
「さすがエリオット!僕の親友だ!」
「ふんっ」
エリオットはそっぽを向くがその耳は少し赤くなっている。そんなエリオットをニマニマしながらレイラは見てやる。
「おい、テメェ!なに見てやがるんだ!!」
「別にぃ、見てませんけど。」
レイラはそういうとニマニマした顔のまま前を向く。
一気に場の雰囲気は明るくなり、さっきまでの張り詰めた雰囲気が嘘の様に無くなっていた。
「おい!このブッッッ」
エリオットがレイラに何か言おうとした瞬間、突然不思議な生き物がエリオットの上に降ってきてエリオットの頭にぶつかった。
「オ食事ガ冷メテシマイマスヨ。」
その言葉にアルバートとレイラは食卓へと目を向ける。
暖かそうに湯気の上がったスープにふわふわとしてそうなパン。そして新鮮そうにキラキラと輝いているサラダに油の乗ったチキンなど、多くのご馳走がテーブルに並べられている。
「そうね!早く食べないと冷めちゃうわ。」
「そうだね。早く食べよう!」
「おいッッッ!テメェ何ぶつかってきてんだ!」
エリオットはぶつけられたところに手で押さえながら頭を持ち上げると不思議な生き物へ向かって叫ぶ。
そんな怒っているエリオットを無視して、アルバートとレイラは目の前の食事に目を輝かせる。
「デハ、ゴユックリ。」
そういうと不思議な生き物は飛んでいってしまった。エリオットは杖を出して精霊を追おうとする。
「おい!待て、このやろう!」
「まぁまぁ、エリオット早く食べようじゃないか。」
「本当、すっごく美味しそう。」
アルバートとレイラは目の前の食事に向かって手を合わせる。
エリオットはイライラしながらも食事に目をやる。目の前の食事はどれも美味しそうで空腹だったお腹はグゥっと元気良く虫が鳴いた。
エリオットはゴクっと涎を飲み込むと渋々といった様子で席に座る。
「それじゃ、いただきます!」
「いただきまーす」
「ハァ..。いただきます。」
3人は食事の挨拶を終えると目の前の豪華な食事へと手を伸ばす。
「...いただきます」
イオリはチラッとアルバートの方を見て、3人と同じように手を合わせると料理へと手を伸ばした。




