指輪交換
私のお気に入りの指輪はVivianのあのロゴの形をした指輪と、小学生のころ親サンタにお願いした誕生石が埋め込まれている小さな指輪です!
王都の空は澄み渡り、陽の光が石畳に降り注いでいた。初めての御忍び探索に心躍らせながらも、
ルーナティアとエドアルドはどこか落ち着かない気持ちを抱えていた。
騎士たちが少し距離を取って見守る中、二人はいつもよりずっと近くを歩いている。まるで何かに引き寄せられるように。
「エド、本当に素敵な街ですわね。」
ルーナティアが微笑みながら横を向く。
「そうだね。でも……」
エドアルドは、ふと彼女の横顔をじっと見つめた。
柔らかく波打つ銀の髪に、月のように輝く瞳。
今まで何度も見てきたはずなのに、今日はどうしてこんなに胸が高鳴るのだろう。
「でも?」
ルーナティアが首をかしげる。
「……いや、なんでもない。」
そんなことを言えるはずがなかった。
『君が綺麗すぎて、目が離せない』なんて。
そうしているうちに、二人はある出店の前で足を止めた。
煌びやかな装飾品が並ぶアクセサリー屋。
ふと、ルーナティアの瞳がある一点に惹きつけられる。
「まあ……この指輪……」
彼女がそっと手に取ったのは、淡い光を帯びた石が埋め込まれた指輪だった。
静かに揺らめくその色は、まるでエドアルドの瞳のようだった。
「エドの瞳の色と同じ……とても、綺麗……」
ルーナティアは、指輪を見つめながら、まるで宝物を扱うようにそっと撫でる。
エドアルドの心臓が、どくん、と強く跳ねた。
「君の瞳の色に似た指輪もあるね。」
エドアルドはそっと手を伸ばし、今度は月色の輝きを持つ指輪を手に取った。
「これ……君の色にそっくりだ。」
「……まるで、お互いの色を映しているみたい、ですわね。」
その言葉が、妙に心を締め付けた。
「だったら……交換しないか?」
エドアルドは、少しだけ声を低くして囁く。
「交換……?」
「僕の色を、君にあげる。君の色は、僕のものに。」
指輪を握る彼の指が、少しだけ強くなる。
その仕草が、どこか甘くて、思わずルーナティアは喉を鳴らした。
「……ええ。」
ルーナティアは、静かに指輪を差し出した。
その手が震えているのを悟られないようにしながら。
エドアルドは、そっと彼女の指を取り、慎重に指輪をはめる。
「……綺麗だ。」
彼の言葉に、ルーナティアの心がざわめいた。たった一言なのに、どうしてこんなに甘いのだろう。
「エド……あなたも。」
ルーナティアもまた、彼の指に指輪をはめる。その指に触れた瞬間、エドアルドの指がわずかに震えた。
(……震えている?)
彼も、自分と同じように感じているのだろうか。
「これで……私たちは、お互いの色を持ちましたわね。」
「そうだね。でも、それだけじゃないよ。」
エドアルドは、ふっと微笑むと、彼女の手を包み込んだ。その温もりに、ルーナティアの心臓が跳ねる。
「これは……僕と君の“証”だ。誰にも、奪わせない。」
ルーナティアの顔が、一気に紅く染まる。
「……エド……」
彼の瞳に吸い込まれそうで、どうすればいいのか分からない。
「ずっと、大切にするよ。」
彼の囁きに、ルーナティアの頬はますます熱くなる。
王都の喧騒の中、二人だけの世界がそこにあった。
指輪が光に反射しながら、そっと誓いを刻んでいく。
たった一本の指輪。それなのに、それはまるで恋の証のように、二人の想いを深く繋ぎとめていた。
11歳、城下町に初めて2人で探索しました。
2人ともハッキリと習ったわけではありませんが「お互いの色を持つ」ことの重要性は周りの大人たちの会話から学んでいます!
12歳からは学園に入学します。2人とも優秀なので同じSクラスに入ります!!^0^
Sクラスとは、魔法の実力、筆記試験どちらにおいても高得点を取った上位3%が入れます。
あと、、やーっとエドっちはルーナちゃんへの恋心を認識したようです^_~
この先ずっと学園ものってわけではないです!