初恋は密やかに
月下美人って、お花の名前なんです!
凄く美しいです!
月の光が降り注ぐ王宮の庭園。その中央には透き通るような泉があり、満開の夜の花がそっと揺れていた。その美しさに劣らぬほどの輝きを放つ少女が一人、泉のそばで静かに佇んでいた。
ルーナティア・ヴァルデリア。プラチナブロンドの髪がそよ風に舞い、琥珀色の瞳が夜空を映す。月下美人と称される彼女は、その名に相応しく、ひときわ神秘的な美を湛えていた。
「……だれ?」
幼い声が静寂を破った。ルーナティアが振り返ると、そこには青い髪の少年が立っていた。月草色の瞳が静かに彼女を見つめている。
「あなたは……?」
「僕はエドアルド・フォン・ブルーネス」
名を聞いて、ルーナティアの瞳が大きく揺れる。この国の皇帝家の名——彼が、未来の皇帝になる者だと悟るのに時間はかからなかった。
「ルーナティア・ヴァルデリアと申します」
彼女が少し緊張しながらも丁寧に礼をすると、エドアルドは不思議そうに彼女を見つめた。
「ここでなにしてるの?」
「お花を育ててましたの」
ルーナティアがそっと手をかざすと、泉のそばに小さな可憐な花が咲いた。水属性と自然魔法を操る彼女の力は、幼いながらも美しく、その場を幻想的なものへと変えていく。
「……すごいね」
エドアルドが目を丸くしながらつぶやいた。しばし花を見つめた後、彼は少し誇らしげに口を開く。
「僕も魔法が使えるんだ。氷の魔法をね」
「すごいですわ!見せていただけますか?」
ルーナティアが興味津々に瞳を輝かせると、エドアルドは得意げに頷き、そっと手をかざした。
瞬間、空気がひんやりと澄み渡り、小さな氷の結晶がゆっくりと舞い降りた。透明な結晶は月の光を受けてきらめき、まるで宝石のように輝いていた。
「わあ……! きれい……!」
ルーナティアは目を輝かせながら、そっと手を伸ばして氷の結晶を受け止める。その冷たさに小さく笑みをこぼした。
「ふふ……つめたくて、とってもきれいですわ」
エドアルドは彼女の様子を見て、ちょっと照れくさそうに微笑む。
「気に入った?」
「はい! すごく素敵です!」
二人の瞳が重なった瞬間、まだ幼い二人の心に、温かな感情が芽生えた。
それは——初めての恋。
それから幾年の時が流れ、ふたりは再び巡り合う。幼き頃の淡い想いは、甘美な恋へと変わり、やがて激しく燃え上がる——。
これは、公爵令嬢ルーナティア・ヴァルデリアと皇帝エドアルド・フォン・ブルーネスの、運命の恋の物語である。
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短編にしようか迷ったあげくいちゃいちゃをゆっくり上げていくことにしました。
なろう小説家初心者の小月です。
・・作品について・・
二人は同い年で、今回の場面ではまだ7歳の設定です。
恋愛小説をかく先輩方の甘美で蠱惑的な表現方法を学んでいきます、、。