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第7話 南由のおっぱい、デカすぎだろ…


「お兄さん。今日は特に用事がなかったのかな?」


 放課後。学校の校門を通り過ぎた頃合い。

 隣を歩いている妹の南由が、テンションを上げて話しかけてくる。


「ああ、そうだな。今日はそこまであの活動も忙しくなかったしな」


 夏央はクラスの副委員長を務めている事もあり、委員長命令で夜六時になってしまうこともしばしば。


 副委員長といっても、それほど大層なことではない。委員長とクラスメイトから言われたことをやるという雑用みたいなもの。

 だがしかし、その雑用が厳しいのである。

 今日は藤花の一言で、委員長は一瞬で大人しくなり、夏央は早い時間帯に帰宅できたというわけだ。


 藤花は面倒な存在ではあるが、あの真面目な委員長よりも立場が高かったりする。そのお陰で、助けられることもあった。

 彼女はただの嫌な奴というわけではない。


 それはそうと、今から藤花の家に向かうことになったわけだが……今から学校を後にして歩いて、三十分ほど。


 歩けない距離でもないが、自称お金持ちなんだし、多少車に乗せてくれてもいいのにと思う。が、キアラの強引な発言によって、今日、藤花の家に行くことになったのだ。


 しょうがないと考え、お菓子を十二分に食べられるならと思い、今抱いている不満を上手いところ、自分の中で消化することにした。


「お兄さん? 今日はお菓子を食べられるんですよね?」

「そうだよ。だから、今日の夜のスイーツはなしだからな」

「えー、夜にスイーツを食べるの、いつもの楽しみなのに」

「けど。だ、ダメなんだ」

「なんでー、ダメなの?」

「――んッ」


 だ、ダメだ……上目遣いで見つめてくる南由の視線が痛く心に刺さるのだが……。

 特に妹のことが嫌いとかではない。

 南由を太らせないための対策なのだ。

 夏央はふと思い、妹の体系を見やる。


 さほど変わっていない見た目。

 この頃、ほぼ毎日、コンビニとかのスイーツを口にしているはずなのに、体つきが変わっているようには思えなかったのだ。

 まさか……。


 夏央は南由のおっぱいを見た。

 爆乳といっても申し分ないほどにデカい、おっぱい。

 もしかすると、すべてのスイーツの養分がおっぱいに流れ込んでいるのだろうか?


 そこは定かではない。

 夏央は南由とずっと一緒に生活しているものの、専門の医者でもなく何とも言えないが。

 でも、すべての栄養が、豊満な二つの膨らみに蓄えられているように思えてならなかった。


「どうしましたか? お兄さん? ちょっと、ボーッとしていましたけど?」

「あ、いや、なんでもないから、うん、なんでもない」

「そうですか? 少し具合が悪いのでしたら、タクシーとかで向かいますか?」

「い、いいよ。大丈夫だって。普通に元気だしさ」


 夏央は爆乳を近づけてくる妹からすぐに距離をとった。

 おっぱいの感触を堪能してしまうと、下半身がとんでもないことになる。


「ほら、大丈夫、な?」


 夏央は元気よく振る舞う。


「……そうでしたらいいですけど……お兄さんも無理はしないでね。いつも私のために協力的になってくれるのは嬉しいですけど。倒れられても困りますから」


 南由から可愛らしく怒られてしまう。

 それにしても、妹が少しでも体を動かす度に、二つの膨らみが大きく揺れ動く。


 どこへ視線を向ければいいのだろうか……。

 チラッと別の方に目を向けても、学校周辺の通学路には、睨みを利かせている学校関係者の男性とばかり視線が合ってしまう。


 なんせ、南由は爆乳の女の子な上に、妹。兄であれば、合法的に同居できる。性格も温厚で大人しく。しかも、おっぱい以外は控えめという、抜群のステータスを持つ。

 そんな子と密着しているところを見た男性なら、怒りを露わにしてもおかしくないだろう。


「……」


 夏央は無言になり、真面目な顔を見せ、南由に言う。


「では、行こうか」


 不快に感じさせないように、少し距離を置いた感じに妹と関わることにした。

 南由の体をエッチな目で見てしまうと、冷静さを保てなくなるからだ。


 男性らに見られている時は、極力真面目でかつ、無心さを心掛けた方がいい。

 二人は、藤花の家に向かって歩く。

 周辺にいる、睨みを利かせている男性らの視線を潜り抜けながらである。


「お兄さん? 周りにいる人、なんでこちらを見てるんでしょうかね?」

「……それはいいから。南由は何も気にしなくてもいいんだよ。今は、藤花の家に行こうか」


 夏央は余計なことを口にせず、妹と共に横に並んで歩きだすのだった。


 本気で思う。

 明日からも生きていたいと――






 学校を後に、十分ほど歩いた頃、何かが地面に落ちていることに気づいた。

 夏央はなぜか、それが異様に気になり、しゃがみ込んで拾う。

 なんだこれ……。


 紙のようなもの。

 四つ折りにされており、妹が近くにいる中、夏央は怖いモノみたさに広げてみたのだ。

 こ、これは……数字?

 なんの数字だろうか?


 意味不明だったが、紙に記されている九桁の数字に、どこか見覚えがあった。

 脳内でフラッシュバックするかのように、思い出す。


 そうか……もしや、これは変態が集う闇サイトのパスワードなのか?

 いや、まだわからないけど、もしかしたら……、まあ、そんな都合よく、パスワードなわけないか。


 そうこう考えている最中。


「お兄さん、どうしたんですか? あまり、よくわからないものを拾っちゃダメですからね」


 背後から注意される。


「――ッ⁉」


 夏央は体をビクつかせ、振り向き、立ち上がる。

 そこにはすでに、前かがみになる南由の姿があった。


 前かがみになっていることで、余計におっぱいがハッキリとわかる。

 制服の隙間から、谷間が見えてしまうほどだ。

 夏央は驚いた感じに、咄嗟に立ち上がった。


「な、なんでもないから」


 夏央は咄嗟に、九桁のパスワードが記された紙を、背負っていたリュックに押し込むのだった。


「もしかして、見せられないほどに変なモノなんですか?」


 妹からジト目を向けられているのだ。

 夏央はたじたじになった。


「いやあ、なんでもないからさ。あ、そ、それよりさ……」


 話題を変えようと思ったが、良いネタが思いつかなかった。

 そんな時、遠くの方から走ってくる足音が響く。


 何かと思い、視線を向けてみると、勢いよく近づいてくる金髪ロングのキアラの姿が見えた。


「おーい、夏央ー」


 彼女は名前を呼びながらやってくると、近くに佇んでいる、妹の南由と視線を合わせていた。


「南由ちゃんも一緒なんだね。もしかして、お菓子目的?」

「はい」


 南由はその発言に一切の迷いがなかった。


「じゃ、一緒に食べようね。藤花の家にはお菓子が沢山あるみたいだし」


 キアラが丁度良く来てくれたことで、色々な意味合いで救われたと思う。


「というか、南由ちゃんのおっぱい、やっぱ、何度見ても、おっきいよね」


 と、キアラが、急に南由の背後から、その爆乳を揉みしだき始めたのである。

 や、ヤバいって……。


 夏央の視界の前で、妹の爆乳が揺れ動いている。


 下半身だけではなく、鼻の方もおかしくなりそうだ。

 鼻血が出てしまいそうで、焦り始めるのだった。


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