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地獄転生 〜業火の拳で取り戻す失われた記憶と贖いの冒険譚〜  作者: さくさくメロン
第一部 記憶の断片
7/20

7話


火亜流(かある) 本作主人公


赤髪 前髪はセンターから逆上げ 瞳は橙色 目付きが悪い

身体中は古傷だらけ ムッキムキ


恵理(えり) 本作ヒロイン


黒髪 ゆるふわな感じ タレ目 めちゃ美人 落ち着いた声

スタイル良し 白いシスター的な感じの服 身体にフィットしてる


亮佐(あきすけ)


金髪 センターパート 火亜流と同い歳くらい


わたる


黒髪のサラサラヘアー 小さい 10歳くらい 声小さい







 泣き止んだわたるが火亜流の前に立つ


「お兄さん……ボク……あいつを……許せないんだ」


 悲しみに満ちた表情のわたるに火亜流が問いかける


「そうかよ、でもいいのかよ俺が殺っちまって、お前が自分で殺らなくていいのか? 」


「ボクは弱虫だから……」

「そうでもねぇだろ」

「え……」

「1度お前はそいつを殺したんだろ、もっかい殺りゃいい話だ」

「ボクが……また……あいつを……」


 恵理が立ち上がりわたるの肩に手を置いて火亜流を見る


「火亜流さん……それでも私は人殺しなんて……この子にもあなたにも……して欲しくありません……」


 恵理に対し呆れた様子で返す火亜流


「おいおい、このガキの話聞いてたのかよ……殺らしてやれよ」


 火亜流の言葉に強く反論する恵理


「それは! 許されないことですっこの子が辛く苦しい思いをしたことは……本当に私も悲しい……この子の父親には罰が下るべきだと……裁かれるべきだと私も思います……でも……」


 恵理は涙を拭い決意の眼差しで火亜流を見据えて言う


「それでも……この子には正しく生きて欲しい、幼くして死んでしまったわたるくんには罪を贖って、罪と向き合って、次の人生を幸せに生きて欲しいんです! 」


 火亜流は淡々と恵理に質問をする


「そいつは魂ってのが納得しなくちゃいけねぇんだろ? こいつの魂がそのチチオヤってのを殺らなきゃ納得しねぇ場合はどうすんだ? 」

「それはっ……そんなことは……きっと……」


 恵理は困ったようにわたるを見つめる


「まぁこいつの転生なんて俺にはどうでもいい事だがなァ」


 恵理は何か思いついたように言う


「そうだわっ……まずはこの子のお母さんを探しましょう……! それからどうするかを考えて……」


 わたるがそれに被せるように話す


「か、母さんは分からないけど……あの男ならこの町にいる……」

「えっ……わたるくん? 」


 わたるは拳を握りしめる


「ぼ、ボクの"罪能" は……"探し物を引き寄せる" だから……町を歩いてる時……たまたま見つけたんだ……あの男を……それからボクはずっと……また探し物をしてたんだ……」


 わたるが火亜流を見上げる


「あいつを……簡単に殺してくれる……強いひとを……」

「そんな……わたるくん、君はずっとそんなことを……」


 恵理が辛そうな顔で自身の胸に手を当てる


「つまりアレか? 俺がここに流れ着いたのはお前のその探し物を引き寄せるって力でそうなった訳か? 」

「ぼ、ボクは……そう思う……」

「そうと決まれば行くかそいつを殺りに」


「ま、待ちなさい……! 」


 恵理が火亜流の服を掴み引き止める


「あのなァ……お前……」


 恵理は火亜流を行かせまいとする


「火亜流さん……どうしてあなたはそんな……あなたは人を殺したことがあるんですか? 」


 その質問に 亮佐、わたるも、興味あり気な様子で火亜流に視線を向ける


 ……俺が人を殺したことがあるのか?


 ……俺自身ハッキリとは分からねぇが……だが……


「あるんだろうなァ……たぶん……」


 恵理が目を細め悲しみに満ちた表情で諭すように言う


「そんな悲しい事……言わないでください……命を……奪うことは許されないことなんです……人と人は支えあって……助け合って……傷つけ合ったり奪い合ったりは……誰も幸せにならない事なんです……」


 恵理の言葉に火亜流は冷たく言い放つ


「お前よォ、さっきから聞いてりゃ随分と綺麗事がお好きなようだがな……そいつをいちいち俺やこのガキに押し付けんじゃねぇよ」


 火亜流の言葉に気圧される恵理


「そんな……押し付けるだなんて、私はただ……」


 冷たく……低い声で火亜流は続ける


「じゃあ聞くがなァ、このガキが前の人生で父親ってのを刺し殺したのは間違いって言いてぇのか? 襲って来た奴に無抵抗で何もせず痛めつけられてこのガキが誰も殺さず殺されてりゃそれが正しいってのかよ? 」


 恵理が言い淀む


「……っ……それは違いますっ……違いますが……」


 たじろぐ恵理に火亜流は言葉を止めない


「こいつは自分の命と居場所を守るためにただ必死に戦っただけだろうがよ、それをお前はさっきから許されないことだとかなんとかよォ……こいつは間違ってねぇよ……こいつの人生を……こいつの戦いを否定するんじゃねぇ」


「わ、私は……ただ貴方たちに……」


「誰もがてめぇみたいに誰も殺さず誰も傷付けずに済む世界で生きてる訳じゃねぇんだよ……綺麗事並べんのは結構だが、そいつを俺に押し付けんな」


 そう言うと火亜流は振り返ることなく教会を去る


 少し後ろを離れてわたるが火亜流を追いかける


 ……そういや亮佐の奴が珍しく突っかかって来なかったな……


 恵理との問答中 亮佐は黙ったまま火亜流の話を聞いているだけだった



「わたる、父親って奴がいるのはこっちか? 」


 何事も無かったかのようにわたるに尋ねる火亜流


「う、うん……閑慈乃町(ならくのちょう)の外れに暮らしてて……家を建てたり道を整備したりする仕事をしてるはずだよ……今は昼間だから、もしかしたら仕事中かも……」


 わたるから位置を聞き出し堂々と歩を進める火亜流


「とりあえず居たら教えてくれ」

「う、うん……あ、あの……」

「なんだよ? 相変わらず声が小せぇなお前は」

「さ、さっきはありがとう……」

「あ? 何がだよ」


 わたるが下を向きながら呟く


「ぼ、ボクが戦ったのは……ま、間違ってないって」


 わたるの呟きに答える火亜流


「実際そうだろ、殺らなきゃ殺られてたんだ…お前は間違ってねぇよ 」

「う、うん……」



 ※教会の庭※ 恵理と亮佐



 地面に伏して涙を浮かべる恵理


「止めれなかった……言い返せなかった……私は……」

「恵理先生……」


 恵理が弱々しい声で言う


「私は彼らに押し付けてしまっていたのでしょうか……彼らの人生を否定してしまったのでしょうか……私は彼らに……平和で優しい世界の中で生きて欲しいだけなのに……」


 そんな恵理を見つめる亮佐


「俺は恵理先生が間違ってるなんて思いませんよ! あいつは……ほら! 野蛮人ですからっ」


 ……火亜流さん……わたるくん……


「でも……火亜流さんの言葉に私は……何も反論出来ませんでした……私の言葉はただの綺麗事……彼らが生きてきた世界を私は気付かぬうちに否定してしまっていた……」


 辛そうな表情のまま地に伏す恵理に亮佐が手を差し伸べる


「恵理先生、休みましょうっ後のことは俺に任せてくださいっ! あの野蛮人はともかくわたるは俺が絶対に無事にここへ連れ帰しますから! 」


 亮佐の手を取り立ち上がる恵理


「亮佐くん……ごめんなさいっ……迷惑ばかりかけて私が弱いせいで……」


 亮佐は笑顔で恵理に言う


「恵理先生はいつも背負いすぎなんですよ! 俺も居るんですからしっかり頼って下さい! 」


「うん……そうだねっ……いつも頼りっぱなし…あはは…ダメな先生だねっ…」


 ……恵理先生……あなたは弱くなんかない……


 ……あなたはダメなんかじゃない……


 ……俺はあなたに救われたんだ……


「そんなことないですよ! ではあいつらを探してきますっ! 」


 ……火亜流……やはり貴様の事は嫌いだ…


 ……だが……お前の人生も……

 

「ふんっ……とにかくわたるだけでも無事に連れ戻さないとな」


 亮佐は1度自分の部屋に戻り荷物を準備すると火亜流達に追い付くため早足で教会を出る



 ※火亜流とわたる※



「あいつで間違いねぇか? 」

「う、うん……あれだよ……はぁ……はぁ……ぐっ」


 少年は男に何度も蹴られた日常を思い出し身体が震える


「おい大丈夫かよお前」

「だ、大丈夫……」


 腹がたるんだ40代の作業着姿に頭にタオルを巻いたその男


 地面に杭のようなものをハンマーで打ち付け汗をかいて仕事をしている


「んじゃ殺りに行くか」

「え、今から? ま、まだ人がたくさん……」

「ん? 今だとなんかまずいのか? 」

「も、もうちょっと待ってあいつが1人になってからじゃないと」

「そうしろってんならそれで構わねぇが」

「う、うん……」


 町の外れの交通整備の仕事はなかなかハードなようでそこで働く男達はみな屈強な体格をしていた


「え、えっと……か、お兄さん……」

「ん? 火亜流でいいぜ、一応お前は命の恩人だしなァ」

「か、火亜流さん……あいつに勝てますか? 」


 火亜流は男達を見渡し答える


「どうだろうなァ、あそこにいる奴全員を相手にするならかなり骨が折れそうだが、不可能じゃ無さそうだ」

「ぜ、全員を……!? 」

「まっあのおっさん1人なら楽勝だな」

「そ、そうですか……やっぱり強いんですね……」


 火亜流は地獄に来て最初に出会った怪物を思い出す


「そうでもねぇよ、情けねぇ話だが刀持ったバケモンからは逃げるしか出来なかったからなァ」


 わたるは火亜流の発言に反応する


「刀を持った亡者ですか? …… それって……」


 ワアアアアアア!! 逃げろおおお!! 誰か人を呼べ!!


 何やら現場の方が騒がしくなる


 ……何だ? ……


「早く義宗さんに連絡しろおお!! 亡者だあああ!! 奴を町の中に入れるなああああああ」


 ……!? ……亡者だと!?


 その声にわたるが尻もちをついて震える


「ひ、ひい……何で亡者がこんな町の近くに……! 」


 逃げ惑う男達の中にわたるの父親を見つけ火亜流が走る


「わたる、行ってくるぜ! お前は逃げろ」

「か、火亜流さん!? 」


 逃げ惑う男達を掻き分け作業着の男、わたるの父親の首根っこを掴む


「よォ……逃がさねぇぜてめぇ……」

「ひ、ひい! 何だ君は!? 離してくれ! 亡者が! 亡者が出たんだ!! 」

「知るかよてめぇクズ野郎が、お前はここで死ね」


 そう言って男の首を絞めると後ろから ドォン! と何かが落下する


「あぁ?」


 火亜流が振り向くとそこには異形の怪物の姿


 手足が異常に発達しており両手足は2メートルはあるかという長さだった


 その肌は紫色に変色していて顔は逆三角形に下に伸びガラスで出来ているような透明な光を放っている


 髪は地面に着くほどの長さで口から黒い液体を垂らしている


「これが亡者……今忙しいんだ悪ぃが後にしてくれよ」

「く゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 怪物が咆哮を上げ口から黒い液体をこちらに放つ


「なっ……! 」


 ギリギリで躱して放たれた黒い液体の付着した地面を見る


 そこからは シュゥゥ……と煙を立て地面を溶かすように液体が沸騰していた


「邪魔しやがってバケモンがよォ」


 先程の男は尻もちを着きながらゆっくり後退している


「だ、誰かあああ助けてくれええ……こ、腰が抜けて……立てないんだああ」

「おい、てめぇも逃げんじゃねぇよ! そこでじっとしてやがれ」


 ……先にこのバケモンをなんとかするしかねぇな……


 ……思い出せ……あの時のあの動き……


獄道術(ごくどうじゅつ)……陽炎(かげろう)


 火亜流の動きが炎の様に揺らめく


 物陰からそれを見ていたわたるにもその動きは陽炎の如く揺らめいて見えていた


「か、火亜流さん……」


 怪物が再び火亜流に向け液体を口から放つ


「ここだ! 」


 それを躱し一気に距離を詰める


「くたばれえええ! 」


 怪物の頭部目掛けて拳を振るう、が


 ガキンッッ!


「くっ! か、かてぇ……! 」


 怪物の頭部はまるで鉄……いやそれ以上の硬さを感じさせる硬さをしていた


 その瞬間伸び切った奴の右腕が払うように俺目掛けて襲い来る


 ビュゥゥンッ!! 風を切るような音と共に払われた一閃を躱す


「っと! っぶねぇなァ! 」


「火亜流さん……す、すごい……あんな亡者相手に1歩も引かずに……」


「く゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 再び口から黒い液体を放とうとする怪物


「ははっ! ワンパターンだなァ! てめぇはよォ! オラァッ! 」


 その怪物の下顎を蹴り上げる


 怪物は自身の上空に液体を放ってしまいそのまま黒い液体を怪物自身が被る


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛た゛あ゛あ゛い゛」

「ざまぁみやがれェ!! 」


 シュゥゥ……と煙を拭きながらこちらを凝視する異形の怪物


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 黒い液体が連続で放たれる


「くっ! 陽炎……! 」


 炎の如く揺らめきその独特の呼吸と歩法で液体を躱し続ける


「チッ……このバケモン……こいつの攻撃を避けるのは簡単だがあの頭……あの硬さ……丸腰じゃァダメージを与える決定打がねぇ……」


「火亜流ゥ! 」


 誰かの自身を呼ぶ声


「受け取れえええ! 火亜流ううう! 」


 ……!


 呼ばれた方向に目を向けると離れた後方からこちらに走ってくる亮佐の姿があった



 ※場面変わって少し前の亮佐※



「はぁっ……はぁっ……わたるとあの野蛮人め……はぁっ……どこまで行ったんだ」


 大変だー! はやく義宗さんに!


「なんだ……町の奴らが騒がしいな」

「あぁ……! 亮佐くん! 」


 町の住民に呼び止められる亮佐


「何かあったのか? みんな騒いでるが」

「大変なんだ! 町の外れの交通整備の現場の方で亡者が出たらしい! 」

「何!? そりゃもうほとんど町の中じゃないか!! 」

「あぁそうなんだ! 今誰かがその亡者と戦って足止めしてくれてるらしいが急いで応援を呼ばないと大変だ! こうしちゃいられない! 君もはやく教会の子供達と避難するんだ! 」


「亡者と戦って……まさかな……くそっ……」


 ……町の外れの交通整備……こっちか……


 ……丸腰のあいつがもし亡者と戦っているとしたら……


 ……勝てるわけが無い……! 急がないと……!


 ……何で俺があんな奴を……! あんな……



『こいつは自分の命と居場所を守るためにただ必死に戦っただけだろうがよォ』



 ……くそっ!


 …………急げっ


 …………………もうすぐだっ! 居たっ!



「火亜流ゥ! 」



 叫びながら亮佐は考える……


 ……あいつは丸腰……なんだあの化け物は……手足が長い……


 ……わたるは無事か……被害は……こいつが町の中に来たら……


 ……教会まで来たら……くっ……


「受け取れえええ! 火亜流ううう! 」


 亮佐の"罪能(ざいのう)" 相手に強制的に自分の持ち物を1つ持たせる


 渡す対象が視認さえ出来ていれば何処からでも持ち物を1つ瞬間的に渡せる



 ※場面は戻る※



「……! 亮佐……! 」


 亮佐の声が聞こえてすぐだった 右手に突然現れたそれを掴む


 その得物は 全長50cm 刃渡り30cm程のマチェットナイフ


「なんだ!? 突然俺の手に? 」


 まさかこいつが……亮佐の罪能……!


「はっ……! ありがたく使わせてもらうとするぜぇ! 」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 連続で液体を飛ばす怪物の猛攻を潜り抜け間合いに入る


「オラァッ!! 」


 怪物の右腕目掛けてマチェットナイフを振り下ろす


 マチェットナイフ それは通常のナイフのように切れ味を伸ばした物ではなく主にジャングル探索や山の狩猟において草やツタなどを切り払って進むためのナイフ


 引いて切るというよりは振り回し断ち切る、という代物である


 ブシャアアアアッッ!


「く゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ」


 怪物の長く伸びた右腕が切断される


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 振り下ろした体勢で敵の欠損を確認すると次の左腕が襲い来る


 まずい! 避けれねぇ! 間に合わねぇ!



       ーーふふふーー火亜流ーー



   ーーただ地面を蹴れば言いわけではないーー



    ーーこの技の本質はーー脱力ーーだよーー



        ーーその技の名はーー



        ーー獄道術ごくどうじゅつーー迅獄じんごくーー



 ……てめぇは……また……誰だ!?


 ……いや……そうだ……たしか……こいつは……この技は…


 ……脱力……そして……一気に……硬直!!


獄道術(ごくどうじゅつ)…………"迅獄(じんごく)"!! 」


 ビュンッッッ


「なっ……消えた!? 」

「か、火亜流さんが……消えた!? 」


 離れた場所から走りながら見ていた亮佐、物陰から見ていたわたるには火亜流の姿が一瞬にして消えたように映った


 獄道術 迅獄(じんごく)

 筋肉の脱力と硬直の瞬間に生じる爆発的な加速を利用し相手との距離、間合いを一瞬で縮める技 回避の用途にも使われる


「また助けられたなァ……」


 怪物の右腕を切断した箇所から一瞬のうちに左側へと移動した火亜流


「っ゛っ゛!? 」

「てめぇの殺意はよォ……あの甲冑野郎の重てぇ禍々しさに比べりゃァ……生ぬるいんだよォォオ!! 」


 ブシャアアアアッッッ!!


 2撃目の追撃を加えんとする左腕が火亜流の振り下ろしたマチェットナイフにより切断される


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 両腕を失った怪物の雄叫び


 怪物は天を仰ぐ


「か゛あ゛あ゛……か゛あ゛あ゛」


 怪物に反撃の余力は残されておらず勝負は決した


 亮佐が火亜流の元に辿り着く


「はぁっ……はぁっ……貴様……さっきのは……」

「よォ……亮佐、お前にも助けられたなァ……こいつは返すぜ」


 亮佐にマチェットナイフを返す


「あ、ああ……まさかお前1人でこの亡者を……」

「1人じゃねぇよ…それを渡したのがお前の罪能ってやつだろ」

「……ふんっ……仕方なく……だっ」

「そいつ無しじゃァ少し厳しかったぜ、礼を言っといてやるよ」

「やめろ! 貴様から礼など……」


「か、火亜流さん……」


 物陰からわたるが姿を現す


「よォ……このバケモンが消えるまでもうちょい隠れてな」


「あ゛あ゛あ゛………わ゛……た゛……る゛」


 ……!?


「あん……? 」

「おい……今こいつ……」


「え……えっ……お、お母さん……? 」


「あ゛あ゛………わ゛た゛る゛う゛」








 貴重なお時間を割いて読んで下さりありがとうございます


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