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高嶋さち子さんのインターネット報道に関する疑点

作者: 小財 明

高嶋ちさ子が、自分が出演していたテレビの番組のコメントは台本通りだったと告白したのは昨年の11月1日(金)のネット上でのことだった。衝撃的な告白!高嶋ちさ子はイェール大学院修士である。美人で知的で少し明け透けなこのヴァイオリストの告白は、きっと驚きをもって、Yahoo!ニュースを何気なく見ていた仕事帰りのサラリーマン達をも巻き込み、本邦ネット界を駆け巡ったに違いない。私はそこに時代の良心の<失墜>、テレビ界の

情報界の王座に対する革命を見る。悪質な革命である。全ての差異がなくなり均質なものが広がろうとしている現在、最後に日本に残っていた高みに在る存在、それが高嶋ちさ子であったと言ってよく、それが失墜、失墜しかけている現状は文化的な非常に大きな危機に在ると言えるだろう。この衝撃的な「告白」で、テレビ業界側はいったい得をしたのか、強い疑問符をつけざるを得ない。修士課程を卒業したものは、その社会における改革に向いているのが、学問の世界に籍を置いたものの「通り」である。芸術家としては、熊本の一在野の芸術家としては、立場の復活を望みたい。


資本主義社会におけるテレビ界の放送作家の仕事とは、広告代理店の、事実上、広告代理店の下請けである。エドワード・W・サイードは「知識人とは何か」で広告代理店の人達を知識人として紹介していたが、それは、体制のシステム、高度情報資本社会にあって、「生活」に合った、つまり、インターネットやテレビやシネコンで「疲れずに」見れる娯楽映画やアニメ等に適合したものであり、危機に当たって有効なシステムかどうかには疑問符が強くつく。


最大多数の最大幸福と言う考え方は、ヒュームのプラグマティズムの考え方が表出した、民主主義のルールの大きな柱の一つではあるが、では残りの少数者の人達の中に、有り体に言って、作家などを育てる気は無いのかと言う、「魔法社会」の只中にあって、当然出てくる課題、問題をいかに解決していくかと言う方法を現代の知識人、広告代理店を主とする勢力は答えないのである。


テレビやインターネットで「放映」される映画は、反政治的ではあっても、政治を含まない純市民的なものではない。


市民の生活は、地に従い、日々の食事をただ食べ、嫁さんとくっちゃべる。夏はクーラー、冬は石油ファンヒーターが欠かせない。魔法を使うのは、一部読書エリートの世帯に限られ、そう言うエリート階層に、作家や広告代理店を含む階層が見られるのである。


エリート階層が、自分の家族のために、また人類愛のために歴史意識に目覚めて、頑張ったのが、先の大戦、第二次世界大戦であり、その代表例が「うみゆかば」、母性原理を全面に押し出した日本帝国海軍と海軍の白い制服に憧憬の念を抱いて応援した日本婦女だったわけだが、どうも同じ臭いがするのが、現代日本書店組であると言っては、いささか、作家としてはNGであろうか。


プラグマティズムの時代が、続くのは、民主主義が機能している証拠であり、個人主義が確りと根付いているからである。


幸福の網から自然的に漏れた人達が芸術家になるのであり、或いは、政治家になるのであり、突出した人生を送ると、それは、全体を撃ち破る意思力を持った個人を生み出すのである。

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