第3話 魔王様、現代日本を満喫する
第3話投稿致します。
俺は、シンシア達と共にレオン達が住んでいるアパートへと向かう、その道中シンシアが、俺のパジャマやその他必要な物があると言い買い物を急遽買い出しを行うことになった。
「魔王様に、必要な物が有りますので、買い出しに行きましょう。」
シンシアからの提案だった。
「いや、俺は別に何も要らないぞ。」
俺は、最低限の物さえあればいいので、勿論シンシアの提案を拒否をする。
「ダメですよ?今の魔王様は、女の子ですから色々と必要ですから、イヤと言っても無理矢理にでも連れていきますよ。」
どうやら、俺に拒否権はないようだ。
「……分かった、シンシアの意見に従う……」
うん、無駄な抵抗は止めよう……
そういえば、レオンの姿が見当たらないな……何処にいるんだ?
「なあ、シンシア、レオンは何処にいるんだ?」
シンシアにレオンが何処にいるか聞いてみた。
「レオンなら、魔王様の入院費を払いに行ってますよ。」
レオンは俺の入院費を支払っているようだ。
「そうなのか、レオンがここに来るまで待ったほうが良いのか?」
レオンを、置いていく事は出来ないのでしばらく待つことにした。
「ええ、すぐに来ると思いますので待ちましょう。」
シンシアと二人でレオンが来るのを待つことにした。
それから数分後、支払いを終えたレオンが俺達と合流した。
「レオン、予定を変更して買い物に行きましょう。」
シンシアはレオンに帰宅の前に買い物に行く旨を伝える。
「ああ、成程分かりました、では、早速買い物に行きましょう。」
レオンは、俺を一旦見てからシンシアの発言の意図を理解する。
「シンシア、今回はどちらが運転をするんですか?」
「ここに来るときは、私が運転したのだから、帰りはレオンあなたでしょう?」
俺は、この二人が何の相談をしているのかよく分からなかった。
「さあ、魔王様、買い物に行きますよ。」
俺はシンシアに促されて車に乗り込んだ。
「シンシア、目的地はショッピングモールで良いですね?」
シンシアは俺に必要な物を大量に買い込むようだ。
「ええ、レオンお願いするわ。」
こうして、俺達は買い物に向かうことにした。
俺は、窓から街並みを眺めていた、祭りでもないのに街には多くの人が行き交っていた。
三十分後、目的地であるショッピングモールに到着した。
「さあ、魔王様に似合うお洋服や下着を沢山買いましょう。」
俺の服や下着を買うのに何故か、気合いが入っているシンシア。
シンシアに連れられて、最初に向かったのはランジェリーショップだった。
「あ、あの……シンシア、俺がここに入るのはまずいんじゃ?」
「何を言っているんですか?つべこべ言わず入りますよ。」
俺の意見を無視して半ば強引に手を引くシンシア。
「いらっしゃいませ~。」
俺達が入店するとすぐさま店員がやって来た。
「すみません~、この子の採寸をお願いします。」
「かしこまりました。」
「この子、ブラを初めて着けるんですよ~」
「そうなんですか?」
シンシアと店員がこのようなやり取りを始めた、俺は男だぞ何故ブラ何か着けにゃならんのだ、逃げようかな……
「アリス~、こっちにいらっしゃい。」
「はーい。」
流石に人前では、魔王様とは呼べないのでシンシアは俺の事をアリスと呼んだ。
「とても可愛いらしい娘さんですね。」
「いいえ、この子姪なんですよ~」
「えっ、そうだったんですか。」
「アリス、店員にサイズを測って貰いなさい。」
「は~い、叔母さん。」
シンシアは俺の叔母さんという言葉を聞いた瞬間、一瞬顔をしかめた。俺、後で殺されたりしないよな……?
「それじゃあ、サイズを測りますね。」
「ひゃん、く、くすぐったい……」
「もうすぐ、終るから待っててね。」
「は、はい……」
「はい、終ったよ、お嬢ちゃんは初めてだから、スポブラにしますね。」
店員さんが俺の採寸を終えるとすぐさまスポブラを選んでくれた。
「お嬢ちゃんのサイズは68だから、これを試して見ようか?」
「はい。」
俺は店員から、手渡されたスポブラを受け取り試着をしようとするが、着けかたが全く分からなかった。
「お嬢ちゃん、着けかた分かるかな?」
「いいえ、分かりません。」
店員さんに着けかたを教えて貰い何とか試着をしてみたが……
「う~ん、Aだと少し大きいかな?AAなら調度良いかな?」
店員は別のスポブラを持ってきてくれた。
「こっちなら、サイズが合うかも。」
俺は店員さんが別のスポブラ受け取り再び試着をする。
「すごい、ぴったりだ……」
「お嬢ちゃんは、成長期だからサイズが合わなくなったらまた来て下さいね。」
「お姉さん、ありがとうございます。」
俺は店員さんにお礼を言った、しかし、Aより下のサイズがあるとは、初めて知ったぞ。
ブラを選び終えた俺は、シンシアと共にパンツ選びをすることにした。買い物カゴの中には、先程選んだ白と水色のスポブラが入っているのでなるべくなら色を合わせたほうが良さそうだ。
会計を済ませた俺達は、パジャマと枕を購入するため別の売場へと向かう。
「レオン、荷物持ち頼めるかしら?」
「ええ、喜んで引き受けましょう。」
レオンは嬉々として荷物持ちを買って出た。
パジャマ売り場では、俺の意見は全く通らず、可愛いらしいデザインのパジャマを六着程購入してから、枕を選ぶことに……
「ねぇ、可愛い奴はいらないから普通の枕にして……」
「何を言っているんですか?勿論、可愛い物を選びますよ。」
「もういいや、好きにして……」
俺はシンシアに全て任せることにした。深く考えるのは止めよう……もう疲れたし。
「ねぇ、貴方、アリスに似合うかしら?」
「ええ、とても似合うと思いますよ。」
シンシアとレオンは、枕売り場で色々話し合いをしているようだ話し合いの結果ネコの抱き枕を購入していた。
レオンとシンシアは、俺の普段着を数着選びそれらを全て購入した。
シンシアとレオンによって、俺は少女趣味満載の姿にされた。
因みに今回の買い物で使った金額は推定4~6万円位だ。
買い物を全て完了してから、改めてアパートへと移動をする。
アパートへと向かう道中、車の窓から街並みを眺めていた。橋を境に街並みが大きく変化する。
街の東側にはオフィスビルやオシャレな住宅街などが見えた。そして――街の西側には昔ながらの商店街や木造の建築物が多数見える。
十分後、目的地である風見荘と呼ばれる少し古いアパートに到着した。レオン曰く家賃がかなり安い変わりに多少不便らしい。
104号室、ここが俺の新しい生活の拠点である。俺は中を隈無く見て回る、すると――家賃が安い理由が分かった。
それは――風呂が存在しないその一点に尽きる。
「レオン、ここ風呂がないんだが……」
「ええ、そうですよただこの近所に銭湯がありますので、特に困りませんよ。」
「そうなのか?なら良かった。」
先程、購入した荷物を部屋に置き再び外出する。今度はどこに出掛けるんだ?
「魔王様は何か食べたい物はありますか?」
「寿司が食べてみたい。」
「お寿司ですね分かりました。」
俺は、昨日病室のテレビで見た寿司と言う物を一度食べてみたかった。レオン達は俺の退院祝いで外食をするようなのでテレビ番組で見た寿司を食べたいと希望してみた。
俺のリクエストが叶い夕食は寿司に決まった、外食を済ませた後アパートに戻り。俺はテレビ番組を適当に見てからシンシアに促されて渋々寝ることにした。(寝たフリだけど)
俺が、この世界に来てから数日間で見つけた最大の娯楽はテレビだった。勿論、深夜放送はまだ見ていないので今日シンシアの目を盗んで見ることにしてみよう。
俺は新たな生活の拠点を現代日本に移して、快適な現代文明での生活が始まった。
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