おしゃれ、いたしましょう。
那珂先輩とオフィスに向かっているとさや先輩を見つけた。
「さや先輩!おはようございます~!!!」
「千佳ちゃんに那珂君、おはようございます。
二人とも二日酔い平気だった?」
「おはようございます。そこそこありました。」
「私もなんですよ~」
「あらあら、大変だったわね。」
丁度良くエレベーターが来たので乗り込んだ。
「あれ?穂積さん今日はバレッタつけてるんですね。お似合いですよ。」
「え、あ!!ほんとだぁ!さや先輩可愛い!似合ってますね!」
「そ…そうかしら?変じゃない?」
くっ、眼鏡に先を越されたがほんとに可愛い!
いつもは縛ったりしないことが多いさや先輩のバレッタ姿なんてレア!!アイボリー系の上品な立体的なリボンモチーフのバレッタが良く似合う。
「そうなのかしら…?」
誉められても訝しげなさや先輩。信じてくださいよ。
その後、松本先輩に水海道先輩、同じオフィスの先輩方にまで良く似合うよーと言われるさや先輩。
「ほら、さや先輩!似合ってるんですから喜びましょうよ!
ちなみに、私は今日おニューのブレスレットつけてきたんですけど似合います?!」
すっ、と手首を見せるとさや先輩がにっこり笑って頷いた。
「とっても似合っているわ、千佳ちゃん。
色も例の色ね。素敵な上に気分も上がるのにしたのね。」
「はい!
華美になりすぎず、毎日つけても飽きのこないものを選んでみたんですよ。奮発しちゃいました!
好きなものが側にあると嬉しいですよね!さや先輩もバレッタ一目惚れしたんですか?」
最推しのカップリング色が入ったものは5000円以上したけど思いきって買ってみた!
私にとっては大きな出費だけども、その分やる気があがるからいいよね!あー、でもDVD買えるくらい…いやいや!!後悔はないよ!うん。
「貰い物なんだけど、とりあえずつけてみてって言われたから…
似合うからって渡されたんだけどいまいち自信がなかったの。」
「へぇ~!くれた人センス良いと思いますよ!さや先輩のためにあるようなバレッタじゃないですか!!」
「千佳ちゃんいくらなんでもそれは言い過ぎよ。」
「そんなことないですよ~ぉ」
なんて会話をしていると丹波が走り込んできた。
「おはようございます!!!」
「おはよう丹波。
ギリギリだけど走るのよくないよ。」
「おはよう、丹波君。
自分や相手が怪我する事態になってからじゃおそいから、気を付けてね。」
廊下走るのよくないよ!
「すいません…ってあれ?
鈴木先輩のブレスレットと穂積先輩のバレッタ、どちらも似合ってて可愛いっすね!」
「あ、ありがとう…」
「ど、どうもありがと。」
鈍そうな丹波にあっさり誉められ、驚きを隠せないさや先輩と私なのであった。