うまきもの。
「あ、あの!私今度は炭酸系のお酒が良いです!
那珂先輩どれがいいです?!」
沈黙に耐えきれず、話をそらす。
あと、しゅわしゅわしたの飲みたかったし。
「そうね、スッキリする感じのが飲みたいわね~」
ほやーっと笑ってさや先輩が言う。
お酒効果でふんわり頬も赤くて、なんか可愛いですよ、さや先輩!!
言ったらひんやりした目で見られるので言わないけど。
「…わかりました、お任せください。」
那珂先輩はキリリとした顔になってメニューに向き合う。
普通にスケベな話は無かったことにしようとしてるけど、少し様子を見てまた盛大にからかってやろう。
ちょっとワクワクしながらメニュー表に目をやった。
「あっ!これ食べたい!!
さや先輩、この前話してたスープ!!」
「ああ、ソパ・デ・アホね。にんにくがすごい入ってるらしいやつ。」
「あら、元気が出そう。さや、あなたそういうの食べた方が良いんじゃない?
私も食べてみたいから頼みましょ。」
「にんにくダメな人います?」
一応聞いてみる。大丈夫だとの返事をもらえたので、早速頼む。
ついでにたらのブニュエロとトマトのピクルスも頼じゃった。ブニュエロはこの前テレビで見て以来食べたかったんだよね~!
トマトのピクルスはさや先輩が好きだから。
「トマトのピクルスを家でつけてもいまいちお店みたいに美味しくならないのよね。」
「さやちゃんはトマトの好きなのか?」
「はい。トマトケチャップはそうでもないんですけど、生のトマトとかトマトスープベースの食べ物は好きですよ。」
「あー、うまいもんな。
たまに食べたくなって、買ってくるよ。ただ切ってドレッシングとかかければ料理だもんな。偉大だな、トマト。」
「プチトマトも最強に美味しいですよ!」
「そのまま食べられるもんな、鈴丼。」
「半分に切るところから始めると良いわよ?」
半笑いでミトサンとさや先輩が言ってくる。
「マヨつけて食べてますから!立派に料理!!」
「どや顔して言うことか、鈴丼。」
「こんなときどんな顔すれば良いかわからないわ。千佳ちゃん…」
笑えば良いと思いますよっ!!
そこにやってくるお酒。あ、カバだ!!
素敵な腕の店員さんが注いでくれる。酒より腕に目が行くぞ。すてきー!!
「美味しい!
最初のとなんか違う!」
「ほう、鈴木でも味の違いがわかったか。」
おい、眼鏡随分偉そうだな。
「美味しい飲み物ありがとうございま~す、普通にスケベな那珂先輩~」
ちょっとイラっとしたので蒸し返してやったのだった。




