その定義とはー…
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「鈴木!その飲み方はよくない!もっと味わえ!!」
ダンッと、テーブルに手をついて体を前傾姿勢気味にしながら那珂先輩がピンポイントで私に言ってくる。この眼鏡うるさい!!
「なんですか、その決めつけ!!
なみなみついだってちゃんと味わってますよ!!」
私も負けじと那珂先輩と同じようにテーブルに手をついて前傾姿勢をとり、二人で睨み合う。
「どーどー鈴丼、それ以上屈むと服の中見えるから。
見たくないのでお座りなさい。那珂もな。店員さんに迷惑かけるだろう。」
今日は白黒のストライプ柄のカシュクールワンピースを着ているので、確かに屈むと見えてしまうと思われるかもしれない…
「残念でした!屈んでも見えないタイプの買ってますぅ~」
「心底どうでも良い。」
どやッと宣言するも、ミトサンはザザッと流す。
なんだよ、どうでもいいのかよ!ドキドキされても困るけどっていうかしないだろうなミトサン。私に対して。
私も、ドキドキとかときめきとか感じないもんな。
フム、お互い様か。
「まったく…照れなくても良いんですよミトサン?」
とりあえずふざけて返してみる。
「え?風評被害なんだけど鈴丼。
俺が心配してるのはな、那珂に服の中身が見えて逆セクハラで訴えられないかって事だよ。」
「まさかの私が訴えられる側!!
大丈夫ですよ、那珂先輩多分ムッツリスケベ系男子だから平気な顔してラッキーとか内心思いますって。」
ついペロッと思っている事を言ってしまった!てへペロッ★
「はぁ!!?」
「確かにムッツリっぽいな。」
「那珂君ってムッツリ感あるわね。」
那珂先輩が怒りの声をあげかけるも、ミトサンと真城先生が追随する。
「なっ、水卜さん!!何を言うんですか?!そういう水卜さんこそどうなんですか!!」
「はっはっは、ムッツリスケベやって何が楽しいのかね?俺はわりかしオープンよ?」
ミトサンからかいモード入りました。
ミトサンわりかしオープンですよね、確かに…!!
「営業部はわりかしそうですよねぇ。」
「まぁ、アレがあるからな。」
「ねー。」
営業部には新人が慣れた頃、ひとつのイベントを行う。
それは、自分の性癖をプレゼンするのだ。
もちろん、他言無用だ。会議室をわざわざ借りてイチオシのスーツと身だしなみで自分の性癖を理路整然と述べるのだ。
笑いは無し、いかにエロさを感じさせないか…が、大事な要素のひとつ。もちろん恥ずかしがるなんて無しだ。
私も性癖プレゼンしたし、ミトサンのも聞いたよ。
どんな内容かは言えないけど。
「なんですか!みんなして!!俺は普通ですよ!普通!!」
「那珂君はムッツリじゃなく普通にスケベなの?」
さや先輩の純粋な問いかけに那珂先輩はがっくりとテーブルに突っ伏した。
「普通のスケベってどのくらいのレベルなのかしら?」
首をかしげて誰に言うまでもなく呟いたさや先輩の言葉に、我々のテーブルは沈黙に包まれたのだった。
天然って怖い…




