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天然は罪なり

笑いの発作が収まった頃、新たなワインと鈴木の押してたパエリアがやってくる。

流れるように穂積さんがとりわけ、鈴木が皿を差し出したり回したりしている。すごい連携プレイだ。



「さやちゃん、鈴丼ありがとな。」



ワインをみんなに注ぎながら水卜さんが言う。



「あ、ミトサンもあざーっす!」



「ありがとうございます。」



「あ、ありがとうございます。」



結局何もできなかったなぁ…やー、でも取り分けとかものすごい苦手なんだよなぁ…

なんかボロボロこぼしちゃうしな。

大抵すぐさま松本にバトンタッチ(強制)だしなぁ…



「そーいや、磯崎ってなんで磯ボンなんですか?

あと、昼間親父さんに報告って言ってましたけど知り合いの子なんですか?」



「お前も知ってるぞ?鈴木。

ほれ、イソザキ商会の、社長の息子。」



「えー?!あの社長の…!!?似てない!!

そしてマジでボンボン?!だから磯ボンなんですか…!!」



イソザキ商会って中小企業だけど、業績をものすごい伸ばして稼いでる会社だ。



「あの通り、後先考えないアホボンボンだから鍛え直してくれって言われててな。

まぁ、入社試験そもそも通らなきゃ話にはならんねーなんて言ってたらうっかり通ったんだよなぁ…

まぁ、丹波入れるくらいだしな。そんで、社長とも知り合いで煙に巻ける人材が揃ってる営業に来たんだよ。

スイッチ入れば優秀なんだがなぁ。鈴木と同じことするから先が心配。」



「何やらかしたんですか?鈴木。」



「那珂先輩、そこは磯崎が何したか聞くとこでしょ?!なんでピンポイントで私?!!」



「俺の髪色見て、勝手に髪染めオッケーと思って、配属日当日ライトブラウン色に染めてきやがった。

ちなみに磯ボンは金髪な。鈴木よりは酷い。」



「あらあら…千佳ちゃんそれはまずわ…」



「さ、さや先輩!!そんな目で見ないで!!!」



「えっ、水卜さんって染めてないんですか…?」



驚きの事実だ。

てっきり染めてるのかと思ってた。



「那珂もかい。地毛だよ!眉毛も同じ色でしょうが。

祖父がクオーターって聞いたことあるからそれでかなとは思うけど…両親は普通に黒なんだけどな。

色素薄いから、日に焼けると赤くなるし、冷え性だからウインタースポーツは苦手だしで大変なんだぞ、けっこう。

目もなんだったか榛色ってやつだけど自前だしなぁ。」



「あ、確かに。今まで気にしたこと無かったけどミトサン目の色がナナ先輩みたいですよね。」



「ああ、あのすごいい美少女みたいな男の人か。」



「そうです。アイスの…」



俺と鈴木が話していると、なんかいきなり穂積さんは立ち上がった。



「ん?さやちゃんどうしたの?」



水卜さんが穂積さんを見やると、そのまま顔を近づけ…



「あ、ほんとだ。ナナちゃんと近いですね。」



顔を覗きこんだ。

鼻と鼻が触れあいそうなほど近い!!!

穂積さん以外は固まっている。



「あ、ちょっと化粧室いってきますね」



そう言って席をはずす穂積さん。



水卜さんはしばらく目を見開いて固まった後両手で顔をおおってしまった。



「天然…て…怖い…」



呟いた水卜さんは耳まで赤く染まっていた。

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