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誠意みせんかい!!

翌朝、出勤してきた私は丹波に声をかけられた。



「鈴木先輩、おはようございまーすっ!!」



「丹波君、おはよう。今日も元気だね。」



丹波は普通よりの顔をしたフットサルしてそうな系統のイケメンである。

この前の歓迎会で本当にフットサルをやっていることを知った。

ちなみに学生時代はサッカー部だったそうな。似合う…!!



「鈴丼、豆っ子おはよう。」



サッカー豆知識を丹波から聞いていると後ろからわしっと頭を掴まれた。

こんなことするのは一人しか居ない。



「ふへへへばぶふおふおふおふおふお!」



丹波は両頬を掴まれながら抗議をしている。何を言っているか聞き取れない。そしてアヒルさんっぽい。



「やめなされミトサン。丹波君が面白いから。

こんな往来でそれ以上おかしな顔をさらされるのはかわいそうですよ?」



「おーおー、鈴丼もいうねぇ。豆っ子よ、釈放だ。」



水卜(みうら)先輩ひどいっす!!」



「悪ぃ、悪ぃ。からかいがいのある…おっと可愛い二人を見たら声を掛けずに居られない、この思い理解してほしいな。」



後ろに居たのは、入社当時教育係でお世話になった水卜先輩ことミトサンである。はじめは水卜先輩とお呼びしていたが、ミトちゃんじゃなきゃイヤっ!と言われて妥協案でミトサン呼びをしている。

彼は某女子アナウンサーと同じ苗字で、ややチャラチャラしがちな見た目なのだが、けっこう面倒見のよいお方である。

そして、変なアダ名を付けるのが好きな人なのだ。

私の鈴丼は、社食で飽きずに丼ものを食べ続けていたことに由来する。だって好きなんだもん。

水卜という、パッと分かりずらい苗字なのも何のその…

『みうらって読みますけど、ミトちゃんって気軽に呼んでくださーい』をうりにいろんな人との輪を広げて仕事に生かすすごい方だ。



「そろそろ鈴丼は卒業したいんですが、ミトサン。

毎食丼ものは卒業したんですよ!ランチにだって行くようになってるんですから。」



「じゃあ昨日の昼に食べたのは?」



「え、あっ!!梅シソダレカツ丼…」



「さすが鈴丼。」



改名は叶わなかった。



「俺も豆っ子は嫌です。」



「だって丹波だろう。丹波の黒豆だから豆っ子。

ふさわしいアダ名だ。」



「良かったね。黒豆のなかでも名誉ある黒豆だから、マメの中のマメ。

つまりは豆っ子だよ。」



「鈴木先輩、自分がそのままだからって道連れにしないでください。」



ワイワイ話ながらエレベーター前につくとさや先輩の後ろ姿が見えた。



「さや先輩ー!!おはようございまーすっ!!」



ダッシュで近付いて挨拶すると、笑顔で挨拶を返してくれる。



「あっ、穂積先輩おはようございまーすっ!!」



「穂積さん、おはようございます。」



後から丹波とミトサンもやってくる。



「丹波君と…水卜さんでしたね。

おはようございます。」



礼儀正しく挨拶するさや先輩。さや先輩をアダ名で呼ばないと言うことはミトサンとさや先輩はあまり関わってこなかったのかもしれない。

エレベーターに乗り、談笑しながら自分達のフロアでおりたった時ミトサンが爆弾発言をかました。



「あ、そーいや鈴丼さぁ、来週末のバーベキュー何時出とか聞いてるか?

別部署だから遠慮しようかと思ったら、鈴丼も来るっていうから俺も参加する事にした。

いやー、新人の頃は呑みとか会社外で会うとか避けてたのに成長したなぁ!ミトちゃん嬉しいわ!

久々呑もうな!じゃ、詳細決まったら知らせてくれな!」



ミトサンは爽やかに去っていったのだった。



「穂積先輩も来るんですよね!俺、楽しみです!」



丹波も爆弾発言をして去っていく。



さや先輩も私も固まっていた。

何故だかお断りしたはずのバーベキューに参加することになっているってどういうことでしょうか?



「樋口部長…しかいないわよね…こんなことするの…」



そう呟いたさや先輩の後ろには般若が見えた気がしたのだった…

というか樋口部長オオオオォォォ!!!

はかったなああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!







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