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本人はたいてい無自覚。

パエリアが時間かかると言われたので生ハム盛り合わせを追加して、一本目の赤ワインが空になった頃に鈴木が不意に水卜さんに言った。



「そういやミトサンって私服地味目ですよね?

あ、いや、顔が良いだけあってなんでも似合ってるんですけど…なんかスーツとかへの拘りめっちゃあるのになーって。だからちょっと不思議で。

お料理教室の時もTシャツとジーンズだったし。」



水卜さんが着ているのは紺のボーダーTシャツに紺のテーラードジャケットと白パンツだ。

普通にお洒落だと思うけどな?

俺なんてTシャツにジーンズだぞ。



「あのな、鈴丼。スーツは仕事だからきっちりさせてるの。

だからスーツ系の用品はクリーニング屋さんに全部お任せしてるし、定期的に仕立て直ししてもらうし、革靴とかのメンテナンスもしっかりやるしハンカチはいつもちゃんとアイロンかけてるんだぜ?

営業するなら服装からちゃんとしろ、って指導してる奴がだらしなかったら話にならないだろ。

なので私服は極力楽なもんが良い。アイロンが要らないもので、最悪ネット洗いができるものが選ぶ基本です。」



「色分けとかしてると思ってた。」



「しないしない。そもそも色うつりしそうなの持ってないな。

白か黒か、紺か…ぐらいか。仕事着に気を使ってるから私服では何も考えたくない。

本当はジャージとかでだらだらしたいけどなー住んでるとこが運動以外で着用しずらいんだよなー」



「ミトサン、ジャージは似合わなそう…」



「悠馬モノトーン着てりゃ良いと思ってるんじゃないの?

せっかく顔は良い方なんだから頑張りなさいよ。まあ、こちらの那珂君には劣るけど。」



「那珂の所は顔が良いやつ多いよな。

いやいや、真城女史よ俺は今日は紺着てるよ?モノトーンじゃないぞ。」



「だまらっしゃい。へりくつよ。ほぼ黒みたいなもんじゃない。」



どうなんだろうか、その理屈。

しかし真城先生と水卜さんって随分親しげだけど…もしかして付き合ってたりするのだろうか。



「そーいや、ミトサンと真城先生ってなんで仲良しなんです?」



鈴木が聞きにくい事をズバッと聞く。すごいな、俺は無理だわ。



「家が元々近所で、姉さん…あー、正確には従姉妹なんだけど、まぁ、俺が生まれた頃からずっと一緒に暮らしてるからまぁ、姉弟だと思ってるんだが…その姉さんと真城女史が親友でな。

小さい頃からいじられからかわれてきたんだよ。年上の幼馴染とは聞こえが良いが…腐れ縁でおっかない人だよ。」



「性格悪いわよねぇ、こいつ。

昔は天使みたいだったのに…まぁ、そうね子分みたいには思ってたけど。

今はちょいチャラチャラ気味だけど、そこそこつかえる足代わりかしら。」



「な、おっかないだろ?」



「悠馬、私は今ピンヒール履いてるけど?」



「大変失礼いたしました。」



「あはは、面白ーい!!!」



「鈴丼、俺はちっとも面白くない。」



「仲良しですね、二人とも。」



「さやちゃん、昼も思ったけどこのやり取り見て仲良しとかなかなか言えないからな?」



「穂積さん、前々から思ってたんですがけっこう天然ですよね…?」



思いきって、今まで思っていたことを述べてみる。



「え…?そんなことないと思うけど…?」



首をかしげる穂積さん。自覚はないようだ。



「さや先輩は天然ですね。可愛いです。」



「さやは天然で間違いないわね。」



「さやちゃん、天然な所もかわいいとおもうぞ。」



四対一で穂積さんは天然ということが決定した。そこそこの期間もやもやしていた疑問が解消された。良かった良かった。



「そ、そんなことないですよ?しっかりしてるって言われますよ?!」



しっかりさんだけど天然なんですね、穂積さん。




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