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花金!!

「さ、真城先生!水卜さんはちゃんと樋口部長に昼休みのうちに伝えて、営業部に戻るときも再度行くよう促していました!」



誰もが固まる中、那珂先輩が一番に我に返って報告する。



「そうなのね、営業部も大変な時にありがとう水卜君。じゃあ悪いのは樋口君ただ一人なのね。そうなのね。」



ニコッと聖母のごとく微笑んで、真城先生は奥へと向かっていった。



「那珂、ありがとな。じゃあ俺ら行くわ。」



ひきつり笑顔でミトサンは去っていった。

もちろんこの後、樋口部長は真城先生に連行されたので終業まで平和に仕事出来たのだった。








★★★★★




そんなわけで、やってきました!

ミトサンおすすめのスペインバル!!!

パッと見、高級感溢れる入り口なので私なら入るの躊躇っちゃう外見。

雰囲気も素敵でお洒落だし、家具とか置いてある小物とか食器とかすごくこだわってる!高級路線とはまた違った感じで、居心地も良いお店だ。

メニューも概ね優しい値段設定が多くて、一安心だ。


そしてなにより…店員さんかっこよすぎか…!!!!!

顔の良さだけなら自分のオフィスの人たちの方が確かに上ではあるけど、制服の似合い具合や立ち姿、物腰、言葉遣いが素敵なのだ!!!

ときめいたよ!!

久方ぶりに三次元にときめきを見いだしたよ!!!



「千佳ちゃん、とてもキラキラしてるわね。」



「店の雰囲気良すぎだし店員さんも素敵すぎるし、なんですか、ここ天国ですか?」



「鈴木、ここは呑み屋だ。」



「分からなくはないわぁ~ギャルソン素敵よね…そそるわ。」



「最高ですよ、黒のエプロン腰巻…

あと、袖をめくって五分丈にしてるあの感じがたまりません。」



「鈴丼、落ち着け?キラキラがギラギラに変わってるぞ?」



「おっと、これは失礼。」



丸いテーブルに真城先生、那珂先輩、ミトサン、さや先輩、私の順に座ってメニューを見ながら会話も楽しむ。



「最初は鈴丼が言ってたカバをグラスで乾杯して、後は瓶で頼む感じでいいかな?」



「賛成です!

私は別にワインにこだわりないんでミトサンや那珂先輩、真城先生のチョイスでお願いしまーす!」



ミトサンの問いに元気に答える。わくわくが止まらない!



「日本酒じゃなければこだわりは特にないので、お任せしますね。」



さや先輩も後に続く。

我々はおつまみ選びしましょうと、仲良くメニューとにらめっこにはいる。



「あ、そうだ悠馬…これお金ね。」



スッとピン札の一万円札を七枚差し出す真城先生。

ええええええええー?!!!

ど、どんだけ飲むの?!



「真城女史、多くね?」



「タクシー料金も預けとく。後、今度足になってちょうだい。

もちろん余ったら返してね?」



「はいはい、了解しましたよ。

那珂、真城女史が二本か三本奢ってくれる酒も選ぶといいぞ。俺もそこそこ飲むが、そんなに詳しい訳じゃないしな。」



「いつもは店員さん任せだけど…今日は那珂君にお任せしちゃうわ。ウフフ…」



「!!!!任せてください!!どれにしようかな~~!!!!」



かつてないほどのキラキラ顔をして那珂先輩が意気込む。

わー、そんな顔するんですねぇ。

少年のようにはしゃぐ那珂先輩にちょっとびっくりしたのだった。











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