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振り返れば般若がいる。

「そういやさ、樋口さんまさかとは思うけど真城女史のとこ行ったよな…?」



ふと思い付いたように那珂先輩に問いかけるミトサン。

おやおや、目の前に爆笑して呼吸困難になりかけたさや先輩の背中を優しくさする私がいるのに何故聞かないのだミトサン!!

まぁ、それはおいといて…

樋口部長は真城先生の所には…



「行ってないですね…」



那珂先輩が愕然と言う。

そうだよ!よくよく考えてたらメールチェック後、皆をしらっとさせながら連絡事項伝えたあとは富久山と、ついでに高橋先輩にも気色悪い位の優しさで服装指導しながらおしゃべりしつつ仕事してたもんな!

ちなみに、富久山は完全に手が止まっていた。

今日は急ぎの仕事が無いからもう諦めてるけど、来週もこんな調子じゃ困るなぁ…あいつが遅れると私が残業するか昼休み潰してチェックしなきゃならなくなるんだもん。



「まじかよ…

もし真城女史が訪ねてきても俺はちゃんと伝言したって証言してくれよな?那珂。」



「それはかまわないですけど…大丈夫なんですか?」



「いやぁ、駄目だろうな。

真城女史は社長に直接話せる人だから確実に報告は行くぞ、上に。

報告書もちゃんと作ってんのかねぇ…なぁみっちゃん、万が一に備えて簡単でいいから報告書作っといた方がいいぞ?

樋口さんご本人に被害がいくならまだしもとばっちりが大神課長やみっちゃん達に行く可能性も無くはないし。」



「それならもう作っておいてある。こっそりとだけど。」



ヒソヒソ話を進めるミトサンと那珂先輩と水海道先輩。

樋口部長、弁はめちゃめちゃたつからなぁ…うやむやにしちゃいそうならまだしも、こっちにも責任がある的な方向に持って行かないともいいきれないのが怖いところだよねぇ。

本来ならそんなこと流石にしないよね…って思うかもだけど信頼感ゼロ通り越してマイナスなので疑ってしまうし、不信感しかないんだよ正直。



「じゃ、俺持ってくわ。磯ボンと社長にご報告するついでに。

秘書課の美女軍団のおねー様方なら喜んで青筋たてながら受け取ってしっかり渡してくれるよ。」



「流石ミトやん、ナイスえげつなさ。」



ぐっと親指をたてそっと書類入りのファイルをミトサンに渡す水海道先輩。

穏健派の水海道先輩にまで言われるミトサンのえげつなさ。

水海道先輩は別支社で一緒に働いてたからこそ分かる感覚ですよねぇ…

いや、味方に居たらこれ以上ないくらい頼りになって安心できる人はいないんですけどね。

絶対敵対したくない。ほんとに。



「お褒めにあずかり光栄ですよ。

じゃ行くな。おーい、磯ボン最後社長にご報告してから戻るぞ。」



「水卜先輩!穂積先輩がスーツ渡してくれません!」



磯崎が困り顔でミトサンに詰め寄る。

富久山がクリーニングに出さないなら自分でクリーニングします、いや、ダメです、の応酬をさや先輩としていたのだ。



「まぁ、今回のはさやちゃん達がケジメつけるのに必要な措置だから、お願いしとけ磯ボン。

それじゃお邪魔しまし…」



磯崎の首根っこを掴み、オフィスから去ろうとしたミトサンが止まった。

何気なく入り口を見るとー…………






そこには美人女医な真城先生が立っていた。

その顔は、その、般若だった…

にいいぃぃ…と口元だけ笑みの浮かべると真城先生は言った。



「樋口くん…居るかしら…?」






















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