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ガンガンいくぜ!!

ミトサンの問い掛けに押し黙る樋口部長。

おいいいいぃ!!黙るなよ!!なんか言えよ!!ミトサンの言ったこと全部図星だろうけど言いようがあるだろうよ!!!

何も言わないのは全肯定だって私、ミトサンにガッツリ教わってきたぞ!!!



「ふーん、何も言わないんだ。まぁ、いいや。

後で報告書横流しされてくるだろうからそれ見せてもらって参考にしますよ。

何処かに食事しに行ってきたんですか?余裕ですね、樋口部長。

もう報告書を作成したとは恐れ入りますね。さすが優秀なだけある。」



笑顔のまま、話を変えるミトサン。

倒れて産業医の真城先生の所にまで行ってるし、そりゃあ報告書必要になるよね。確かに。

いつの間にか作ってたんだろうな。



「え、」



え?なにその反応…まさか…おい、報告書書くまでもないとか思ってる感じかこれは!!!

樋口部長って前々から人の心に対して配慮ないとは思ってたけど…健康面の変化への配慮もごっそり無くなったか…うわぁ…ここまでか…ここまでひどかったか。

恋にうかれて頭が花畑になっちゃってるんだね…



「お疲れー!!那珂達ありがとうな!!

アイス買ってきたから先に選べ…って…なに?この空気…」



そこにやってくる水海道先輩!

アイス買ってきてくれるなんて、最高ですよ!素敵!!!

オウオウ、樋口部長よ、モノをくれと言うわけではないけどさ富久山狙いで飲みに行った時だけ多く出すんじゃなくて、こういう…何気無い気遣いを見習えってやつですよ!!



「おー、みっちゃん。気遣いがさすがだねぇ。」



「あれ、ミトやんじゃないか。なんでいるの?」



「那珂達に頼まれて、さやちゃんの様子見と昼休みまで居るように伝言しにな。

さやちゃんに言い聞かせられるのここじゃ大神課長ぐらいだろう。俺だと部署違うし、入社順的には後輩だが一応年上だから黙らせるくらいはまぁ、できるってことでな。」



おやおや…樋口部長もさや先輩よりも一応、年上だった気がするけど。

まぁ、樋口部長に対しては窘められるのがさや先輩であって逆はないからなぁ。



「ミトやんありがとうございます。

俺もね、言えたらいいんだけどね…年は上とはいえかなり後輩だからなぁ…」



「まぁ、向き不向きはあるだろ。みっちゃんはサポート系だしな。俺はごり押しはまぁ、得意だからな。」



そして癒し系も兼任してますよ!!水海道先輩!!!

ミトサン、自分でもごり押しする派だって分かってるんですね、いや、わかってやる人ですよね。



「そういや、樋口部長は今回の報告書作ってないみたいだけど大神課長が作るの?それともみっちゃんが頼まれてる?

どちらでもいいんだが、後で見せてもらって良いか?うちも冷房問題でちょいちょいごたつくから参考にしたい。」



樋口部長もしや、大神課長が今日は在宅ワークの日だけど見てもいない状況を報告書にまとめさせる気なのか?ひでぇな。

水海道先輩に頼んでないことは確かだし。だって席移動で水海道先輩のお隣になったから二人が話してないことはちゃんと見てる。



「俺は頼まれてないかな。え?参考にならないよ、いくら営業部でも20℃で強風はないでしょ。」



おっと!!水海道先輩、何気にもらしてる!!いいぞ、もっとやれ!!!



「え?なにそれ俺でも無理だわ。誰がそんなに…」



高橋先輩と呑気な富久山以外の視線が樋口部長に集まる。

ミトサンは察したようだった。



「あー、通りで報告書出そうと思わないはずだ。分かった。

樋口部長、ほらそろそろ先生の所に行かないと。」



「水卜、勘違いするな俺は別に…」



お前、隠匿しようとしたな?っていう空気を醸し出して、早く行くよう急かすミトサン。

樋口部長が弁明しようと口を開くが、笑って言った。



「聞きたくもないですね。

今しなければいけないのは真城先生の指導を受けて、倒れた人間労る事じゃないんですかね?

じゃあ俺は戻ります。しかし、ここは服装規定随分緩めなんですね。

今日の午後、営業(うち)に大事な顧客が来るのでそいつフロアうろつかせないでくださいよ?社風を疑われる。

では。」



ちらりと富久山の服装に視線を向けてから、去るミトサン。

爆弾落としていきやがった…!!!

まぁ、全くその通りなんだけど。






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