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ここは凍れる説教部屋。

那珂先輩に机の引き出しの中身を見せてドヤ顔していると、ミトサンがやって来た。

今日はさっさと那珂先輩と丹波と一緒に社食でごはんを済ませ戻って来たのだ。

一旦換気をするために、ね。

ついでに、ちゃんと片付けたデスクの一段目と二段目をご披露した。やればできる子なのです、私!!!



「お疲れ~ってなにやってんだ?」



細かい眼鏡の那珂先輩が事情を説明する。



「ふーん、そっかぁ。

どれどれ、おお~鈴丼きれいにできるようになったんだな。」



ミトサンもよってきて中を見る。



「へへ~そうですかぁ?」



誉められてまんざらでもない気になってたのがいけなかった。



「隙あり。」



笑顔のまま、ミトサンが唐突にしゃがみ一番下の引き出しを開ける。



「あ゛あ゛あ゛!!!!」



ゴッチャゴッチャした中身が現れた!!!

チッ!ばれてしまったか…!!!!

整頓しきれないものをぶちこんでいるのを…!!!!



「汚い。

鈴丼、お前やればできる子なんだからとっとときれいにしろ。

とりあえず全部机に出せ。さやちゃん戻ってくる前にどうにかしろな?後、10分で。」



「くっ!!さや先輩の名を出すなんて卑怯ですよ!

でもやればできる子なんで頑張りますからね!!」



私がガサガサやってるとミトサンが「鈴丼は都合の悪いもんは無意識に下に隠すから気を付けろ」と那珂先輩に余計なアドバイスをしている。

ものすごく余計なことを…!!!

ちなみに、ミトサンの机の中も上もきれいなので何にも言えねぇ…状態だ。

鞄の中もきれいなんだよなぁ。

営業部時代、ハンカチ忘れた私に貸してくれたし。

冬場テイッシュ忘れて鼻を垂らしかけたらポケットティッシュ投げてだけどくれたし。



「あ、そうだ樋口さん居るか?真城女史に伝言頼まれてるんだよ。」



「さぁ?」



「なんか富久山と高橋さんとで連れたって何処か行ったとは思うんですが…」



「はっ、仲良しなこって。」



那珂先輩が答えるとミトサンが鼻で笑う。

珍しい。そんな風に悪態つくような言い方滅多にしないのに。



「少し待つかなぁ。

そーいや豆っ子はどうした?なんか姿見えないけど。」



「丹波はさや先輩の所にエグロワイヤルのプリン届けにいかせてます。給湯室に置いてあったんで。」



「さすが那珂は気が利くな。」



「おいおい、ミトサンや。なんでそこで行かせたの私と思わないんですか。

その通りなんですけど…!!」



「鈴丼はその辺気が利かないって信じてるからな。」



「なにその信頼!!要らないですよ!!もっといいもの信頼してくださいよ!!!」



「丼ものを必ず二日に一回は食べるところか?」



「残念でした、ミトサン!!二日中食べたの四回ですぅ!!」



「鈴丼、ちゃんと野菜とれな?後、胸張って言うことじゃないぞ?」



「優しいけど、心配の仕方がおかん!!!」



ぎゃいぎゃい言ってるとオフィスのドアが開く。



「え~、なんか暑いですね?部屋…」



富久山だった。



「潤、今冷房つけるから待ってろ。」



「潤、アイスコーヒー飲むよな?今作るよ。」



with樋口部長&高橋先輩も入ってくる。



「なんで冷房が止まってるんだ?」



私達に気づいた樋口部長が眉を潜めて問い掛けてくる。



「一度換気をしてから冷房入れるっていう話になってましたよね?

さっき窓を開けたばかりなので少し待ってください。我々もかなり急いで昼食を食べて換気しに来たんですが…昼食食べる前にしなければいけませんでしたか?

申し訳ありません。」



流れるように那珂先輩が言って頭を下げたので、慌ててそれにならう。



「あ…いや、そういうことじゃない。頭をあげろ。

その、換気をしておいてくれて感謝する。」



オウオウ、忘れてやがったなこの感じ!!



「そっかぁ…まだつけられないんですね。あ~暑い~」



富久山、ちょっと黙れ。そもそもの原因おまえだかんな?!

そしておもむろに着ていたカーディガンを脱ぐ富久山。

白に近いベビーピンクのAラインのノースリーブのブラウスを着ておる。

よくよく見ればズボン青みがかった黒の…ジーパンだよ。

クールビズが叫ばれているが、ノースリーブはNGだし、ジーパンもNGだ。

いや、他はオッケーかもだけどうちは駄目だよ。

那珂先輩はもちろん、私や丹波ですら基本はスーツ。

まぁ、今は昼休みだから上着は脱いでるけど。那珂先輩は半袖ワイシャツ、私は五分袖のカットソーである。

営業のミトサンにいたっては夏でもワイシャツも長袖だし、基本的にかっちり着こなしネクタイも背広も標準装備だ。今は昼休みということもあって背広脱いでるし、ネクタイも襟元も緩めてワイシャツ捲ってるけど、仕事時間になればガッツリ着用する。



「樋口部長、真城先生が午後イチで来るようにって言ってましたよ。」



ミトサンがにこやかに言う。樋口部長は眉間にしわを寄せて頷いた。

ははーん、説教だな!!ザマァ!!!



「分かった…ところで水卜、何故ここに。」



「穂積さんの様子見と、昼休み終わりの頃に帰ってくるよう伝えにね。

那珂達から頼まれてな。穂積さんは無理する人だから後輩が止めても聞かないでしょう。それで年だけは上な俺がね行ったんだよ。

いやー、しかしびっくりだよ。営業だと外から戻るのが多いからいつもエアコンの温度管理でゴタゴタするのはあるけど、内勤が主の所で冷房症で倒れさせるまで我慢させるなんてはじめて聞いた。

樋口部長、うちも気を付けたいから何度設定にして倒れるまで無理させたのか教えてくれますか?」



うっわあぁ…せ、盛大な当て擦りと嫌味だ…!!!!

み、ミトサンやそんなに言って大丈夫?

てか凄い笑顔なんですけど、ミトサン。怖いくらいの笑顔…!!

うわーヤバイわー相当怒ってるわー

空気が凍っている。

樋口部長も、富久山に甲斐甲斐しくアイスコーヒー作って渡した高橋先輩も固まってる。心なしか二人とも顔色悪い。

富久山は呑気にアイスコーヒー飲んでる。



なんなの、今年の新人…

丹波も空気読めないけど富久山も読む気すらないのかよ!!









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