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女医様がみてる。

ぼやーっとしたままどつかれた悠馬を見つめることしばしば、さやは首をかしげた。



「あれ…水卜…さん?なんでいるんですか?」



「さや、とりあえずボタン止めて。目の毒目の毒。」



「いたたたたたた!!真城女史!!!首おかしくなるからやめ…うぐえっ!!!!」



さやを見ないように悠馬の顔を別方向に力一杯背けさせていたら手首を掴まれたので、いらっとして鳩尾に一撃をいれてやる。

踞る悠馬の背を踏みつけておいた。



「相変わらずの…馬鹿力…」



「何?ヒールで頭踏まれたいの?」



「勘弁してください、マジで。」



反論してきたので、返り討ちにしてやると素直に謝罪した。



「ふふ、お二人仲良いんですね。」



ボタンを留め終えたさやがほんわか言う。

うん?ちょっとこの子の感性分かんない。大の男が踏まれてるのを見てそう言えるってどうなの?



「さやちゃんおっとりさんなのは分かったから、ここはとりあえず心配してくれない?」



「ところでなんでいるんですか?」



「スルー!!まさかのスルー!!そんなとこも可愛いけど!!!」



「水卜さん、目が腐ってますよ?」



「さやちゃんは可愛いよ、とっても可愛いよ。本当に可愛いよ。」



「え…頭大丈夫ですか…?」



「心配されているけど…!違う!!俺が求めてるのこんなんじゃない…!!!」



とりあえず、なんか疲れたしお腹もすいてきたので二人にテーブルにつくことを勧めたのだった。




★★★★★




「「「いただきます」」」



悠馬の買ってきたスープごはんはものすごく美味しかった。

おいしいねーしか感想が出てこない。

さやの顔色みるとだいぶ良くなっているので午後は戻しても良さそうだ。



「ところでさ、体調悪かったなら朝のうちに言ってほしかったんだけど?」



悠馬が笑顔で問いかけてるが、なんだかお怒りモードだわ。珍しく。



「いえ、朝の時点では悪くはなかったんですよね。

ただ、あのドラマ続きが気になって夜更かししてしまい…寝不足で冷房にやられました…」



「さや、あんたナチュラルに無理するのほんとやめなさいね。

翌日と翌翌日に体にじわじわ来るのよ。」



「肝に命じます…みんなに心配かけてしまって…」



一晩寝れば回復する時代はもうとっくに終わりを告げているのだ。


「さやちゃんはもっと頼ることを覚えた方がいいよ。

後、面白いなら続き貸すけど夜更かしはやめような。まぁ、気持ちは分かるけど。」



「なんのドラマ?」



いつの間にドラマの貸し借りする感じになったんだこいつら。

というか悠馬がさやが気づかぬ間にじわじわ迫ってるんだろう。怖いわー。



「真城女史も面白いって言っていたこの前最終回むかえたやつ。さやちゃん見てないって言ってたから薦めてみたんだ。」



「新人さんのてんやわんやで見る余裕もチェックする余裕も無かったので…この前面白いとみんなから聞いて、見てみたいって言ったら貸してくれたんです。」



「へぇ~?随分優しいわね?悠馬。」



「え?俺は大抵いつでも親切なつもりですけど?」



にっこりとした悠馬のその笑みはとてつもなく嘘臭かった。














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