それは別腹です。
「美味しさが染みるわ。」
「あんなに食べたのに、少ししたら入るとかないですよね。
しかし入ってしまう…美味しいのが悪いですよ。」
「全ては遅延のせい。
カロリーは考えはいけないわ…」
「あいてて落ち着けるとこここしか無かったし、まぁ、お店を開拓できたと思いましょう…」
「まぁ、千佳ちゃん呑みましょう。
お猪口空ね。もうちょっと付き合って。」
私とさや先輩は、駅構内の蕎麦屋に居た。
電車を待ってたら遅延情報が入り、少し待ってたのだけれど見通しが立たないとの追加情報が…
下手に出て富久山達に遭遇するのは嫌だなと構内のカフェに行こうとしたがどこもいっぱいで、この蕎麦屋の席がたまたま空いているのが見えて滑り込んだのだ。
とりあえずミニざる蕎麦を頼んだのだが、さや先輩が奢るからと日本酒を頼んで今に至る。
熱燗をちびりちびりと呑み、つまみにざる蕎麦を食べる。
「なんか…おっさんぽいですね。」
「否定はしないわ…ふふ、美味しければいいのよ…」
「今頃、彼らは居酒屋ですかね。
お酒飲めない人もいるからって今回は飲み放題にしませんでしたけど。」
「私達はぬいて飲み会してるんだから今更いいとは思うんだけどねぇ。
呑ませてどうする気だっていう…」
はぁとため息をついてからさや先輩が言った。
「ワンチャンにかけてるのかしら。」
「まさかの…!」
「明日、同じ服着てるとか、アイロンかかってないとかをポイントを見るといいんじゃないかな、ハハハ。」
「うける…
いや、でも実際に見たら引きますね…」
実際、そうなったら影響が我々に出ることだろう。
そういったことは週末にしてほしい。
さや先輩と私は明日もつつがなく業務が終わるように祈るのだった。
それから30分後、遅延が解消され私達は無事帰路についたのだった。
★★★★★
ちなみに、ワンチャンは無かった模様だが、丹波が寝坊して遅刻してきて叱られていた。
二次会で調子に乗って呑みすぎたようで、気付いたら始業時間で玄関の中で倒れていたそうだ。
危ない。
ちゃんと鍵をかけてはいたそうだが…
酩酊状態になるまで呑んで、駅や道、部屋で吐かなくてよかったね。
余談として、
呑ませ過ぎに気を付けるように…と、とばっちりで樋口部長も注意を受けていた。
正直、スカッとしたのは私だけの秘密だ。