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越えられない壁。

そろそろ帰る時間が近付いてきた。

さや先輩の一升瓶やミトサンが持ってきたお酒も空になった。

みんな飲んだなぁ。

そういえばさや先輩の一升瓶は、昨日ミトサンが食材運んでくれたついでに預かり、でっかいクーラーボックスに収納してくれたそうな。

さや先輩以外は後からお代を割り勘する~ってことでミトサンにまとめてお酒を買ってもらっている。後で払わないと。

もちろんだが高橋先輩と富久山はその中に入ってない。那珂先輩達が聞こえる位置で話したりしてたそうだが、全く耳に入ってこないというか用意するって気がないみたいだからはぶいてしまったらしい。

まー、差し入れのひとつも無いし、気にするそぶりもないからはぶいていいんじゃないかなーと私は思う。


丹波の遅刻に繋がった果物はめっちゃ美味しかった。



「高橋先輩、果物どーぞ!はーい!!」



酔っぱらい丹波は高橋先輩の口にあーんしてると言うか、無理やりつっこんでる。

酔いつぶれ気味の高橋先輩はされるがままだ。



「まぁまぁの味だな…」



ムシャムシャ咀嚼しながら言う高橋先輩。お礼が言えないのか。

まぁ、丹波だからいいか。



「残りは樋口部長と富久山で食べてねー!!」



へらへら笑いながらフルーツの器を富久山にバトンタッチする丹波。そして戻ってくる。

おいやめろ、それはハイ、ア~ンのフラグだろうがよ!

高橋先輩がおもむろに立ちあがり二人の方に行く。

おー、戦いのゴング鳴っちゃうのか!?他の人がそんなことしてたらワクテカ見守るけどあの三人だと見たくなくて、背を向けた。


おや、なんかミトサンとさや先輩、千里子さんで話しているではないか。

そしてちょっとふらふらしながら松本さんが側にいる。

ちなみに丹波は那珂先輩に確保され水を飲まされている。幼児か!!


ミトサン達のところは何やら楽しそうだ。

さや先輩が珍しく構えずに笑っている。くっ!職場では美女軍団を除き私だけの特権だったのに!!

ちょっぴりジェラシーを感じ、すぐさまさや先輩に飛び付く。



「さや先輩なにはなしてるんですかー!!仲間外れしないでくださいよぉ!!」



「鈴丼には関わりになれない事だよ。」



「ミトサン!なにそれひどい!!さや先輩!!ミトサンがいじめます!!」



「どーどー、千佳ちゃん。

今ね、急だけど明日お料理教室もどきしようかって話してたの。それで水卜さんがお家を貸してくれるっていうことになって…」



「そんな素敵な会に私を仲間外れにする気だったんですか!ミトサン!!」



「いや、どう考えてもお前は試食要員希望だろ?

料理しないじゃん。数にはいれてない。穂積さんにくっついてくるのは想定済みだから俺と一緒に片付け要員な。」



「なるほど!ゴチになります!!」



「いや、千佳ちゃんも頑張ろうよ?!」



「千里子さん…人には越えられない一線があるのですよ…」



「…そんなにか…そんなになのか、千佳ちゃん…!!」



「俺はちーちゃんの料理食べられるならなんでもいいよー、好きー」



「はいはい、黙って酔っぱらい。そしてあっちに行け!」



「ひどい…」



ハートブレイクした松本先輩が那珂先輩達の方に去っていく。

ちょっと表情を改めて千里子さんが言った。



「さやさんと水卜さん、急なのに引き受けてくれた上、場所の提供もありがとうございます…!

来週、優の誕生日だから…美味しいもの食べさせたくて…」



「私も友達にご飯届けに行くのを送ってもらえる事になったし、噂のビルドインやら備え付けオーブンを使えるから大丈夫。

水卜さんよろしくお願いします。」



「なんか叔母の趣味で無駄に広いからね。俺じゃ使いこなせてないから、よければ使っちゃって。

まー、余った料理は俺がいただける手はずにしてもらえたからこちらこそありがたいよ。」



そういうことか~

なんか松本先輩の方が好き好き!!って感じに見えたけど、千里子さんもよく見えないだけで大事に思ってるんだなぁ…

ちょっとほこりした。



「ミトサン、私のオススメコンビニ飯をひとつ買ってくるのでそのお料理会の1品私にも下され!!」



「え?やだよ。絶対やだよ。」



笑顔でお断りされてしまった!!くっ!!

こうなったらこっそり持ち帰ってやろうと固く誓うのだった。






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