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娘においで。

「そーいえば、さーたんアパートのめどついたの?」



不意にナナ先輩がさや先輩に尋ねた。



「あー…まだ。ここのところ色々ばたついてて調べる時間ないかなぁ。」



「急な残業とか入りますもんねー。

あと私の手助けとかで…ほんとさや先輩ありがとうございます!!」



「いいのよ千佳ちゃん。お互い様よ。それにしてもどうしようかなぁ…今のところ更新もね」



「というかさや先輩、お家探してるんですか?」



「九月までだから更新するか迷ってて…ガス台おけるところか二口以上コンロあるところってなかなか…あわよくば三口。」



さや先輩料理するからなぁ。

私のすんでるアパート一口コンロだからおすすめできない。くっ!残念…!!



「うちに住む?さーたんの部屋あるし。」



「え、なにそれ?なぜ私の部屋…」



ナナ先輩の提案にさや先輩が引いている。



「さーたんが遊びに来たときに泊まっとる部屋や。

お父さんはいつでもさーたんが帰ってこれるようにしとるんよ。

キッチンもリノベーションしたからさーたん好みのキッチンになっとるよ。」



御堂筋さんのさや先輩への父性愛がおかしい。

というか、新婚家庭に同居ってなかなか辛いと思うんだけど…!



「キッチンは気になるけど今のところ結構です。

うーん、どうしよもないときは一時的にお世話になるかもですが…なるべくそうならないよう努力する方向で…」



「分かった。

さーたん、その時はご飯作ってくれへん?それが賃料代わりで。」



「わー、それはいいなぁ。さーたん、一緒に住もうよ!!」



「ついでに娘になりにおいで」



「お断りです。」



キッパリとさや先輩が娘になる件をお断りする。

そして、さや先輩持参のクーラーバックを二人に渡す。



「はい、お礼のお惣菜作って冷凍したのと、お弁当。

よかったら食べて。」



なんか焼おにぎり出しても何やら入ってるなぁと思ったら二人にあげるものを持ってきていたのか…!



「きゃー!ありがとう!!さーたん、みなさんお邪魔しました。ではでは失礼します。」



「さーたん、お別れのはぐは?」



「はいはい、ほらほらおとくん行くよ。」



そう言って、ナナ先輩と御堂筋さんは去っていった。

嵐のような人たちだった。



「穂積先輩のお友達変わってますね~」



「そうね、ちょっと変よね。おとーさん。」



酔っぱらい丹波がへらへらしながら言って、さや先輩が答える。

さりげなく丹波が焼おにぎりに手を伸ばしたので負けじと私も手を伸ばす。

片手に二つづつ、合計四つ持ったらミトサンに後から空手チョップを食らった。痛い。

おまけに片手に二こ持ちしていた焼おにぎりもとられる。



「なにするんですか!ミトサン!!」



「こっちのセリフだ、鈴丼!ざっと見、一人二つづつ位だろう!なんで四つとるんだお前は!」



「へへ~怒られてる~!鈴木先輩ったらいじきたない~」



「ぐぁー!!丹波の癖に腹立つ!!あまりますよ!!

どーせ、高橋先輩食べないだろうし!!朝断ってたから今度も断りますよ!!」



あ、やば!!

酔いと勢いと怒りのあまり本当のこと言っちゃった!

ざっ、とみんなの視線がなんともなしに高橋先輩に集まる。



「ひ、ひとつ位は食べようかと思ってます。」



若干しどろもどろで高橋先輩が言う。

チッ!!



「無理しなくてもいいのよ?高橋くん。」



「いえ、お気づかいなく!食べられますよ!!」



そーだそーだ!無理しなくていいよ、てか無理して食べるとか失礼じゃないですかね?!なので私に譲るといいですよ!



「あ、普通に美味しい…」



そう呟いた高橋先輩は結局二つ食べたのだった。

げせぬ!!





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