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沸点低い。

那珂先輩と松本さん、そして松本さんの彼女の田中さんが乗車してくれ、すごくホッとした。



「はじめまして、田中 千里子(ちりこ)です。今日はよろしくお願いします。

看護師をしてますので、万が一体調が悪かったり怪我をしたときは言ってください。」



ショートカットでキビキビした印象の方だった。仕事できそう…!!

ややつり目がちで背の高い素敵な女性だ。背が低めな松本先輩よりちょっと高いのかなぁ?



「よろしくお願いします。穂積さやです。」



「鈴木千佳です。

松本先輩から時々のろけを聞いてます、よろしくお願いします。」



「同僚の高橋 一晟(いっせい)です。」



「上司の樋口 正親(まさちか)だ。よろしく頼む。」



「富久山 潤です!

松本さんには時々仕事でお世話になってます!」



「知ってると思うか那珂だ。」



田中さんがはじめましてなので皆挨拶する。

噂の彼女に会えるとは感動だ。松本先輩頑なに写真とか見せてくれなかったもんなぁ。

てか富久山…ほんとに時々かもだけどそこは『お世話になってます』だけでいいだろうよ。



「那珂先輩と田中さんはお知り合いなんですか?」



「千里子でいいわよ、えーと、千佳ちゃんって呼んでいいですか?」



「はい!!」



「那珂とは…まぁ(ゆう)もなんだけど高校が一緒だったの。

那珂はずっと同じクラスだったからよく話してたし。

那珂は昔はけっこう鼻持ちならない所あったけど今はすっかり落ち着いたよね。」



「ちーちゃん容赦ないよね。」



「昔の話はよしてくれ、本気で。

そんなこと言うなら俺もお前がクラスの男子生徒全員を腕相撲で負かしたゴリラだって話するぞ。」



「ちーちゃん逞しいところも素敵。」



新人の頃は調子づいてたってミトサンもちらっと言ってたから前は自信家眼鏡だったのかなぁ、那珂先輩。

そーいや松本先輩って名前が優だったな。そして彼女にデレデレだ。

同級生ということもあって仲良しだな。



「ふふ、仲良しですね。

松本君も那珂君も職場で頼りになってますよ。私も時々松本君にのろけを聞いていたので実際に会えて嬉しいです。」



にこにことさや先輩が言う。



「二人がとてもお世話になってるって聞いてます!

さやさんとお呼びしてもいいですか?私も会えて嬉しいです!」



「では、私も千里子ちゃんと呼ばせてもらいますね。」



きゃっきゃと会話が弾む。はー、千里子さんが話しやすい人で良かったぁ。



「樋口部長、丹波達を回収するとこってコンビニですよね?

そこで俺達三人朝飯買って車内で食べてもいいですか?」



「ああ、かまわんぞ。

俺と高橋も富久山が作ってくれたもの食べながら来たしな。」



「あ、那珂君…もしよければだけど…嫌じゃなければ食べる?

松本君と千里子ちゃんも。」



さや先輩がお弁当を差し出す。



「…え!?」



「色々あって流れで丹波君と水卜さん達の朝食弁当を作る事になったから、ついでに多めに用意したの。

漬物以外は調理は朝したものだし、つめるときや下ごしらえの時も手袋してたから衛生的には問題な…」



「いただきます!!!!!」



驚く那珂先輩にさや先輩が説明しているのに食わせ気味に千里子さんが手を差し出した。

流れるようにお弁当、お箸とおしぼりを渡す。さすがさや先輩!



「私も作りました!!」



「ちょっと待て、鈴木の作ったのはどれだ?避けて食べる。」



酷くない?那珂先輩ひどくない!?



「那珂先輩!私だってやればできる子なんですからね!!

下ごしらえで皮むきしたり、スライサーしたり、ごはんを型につめておにぎり量産しました!!!」



「鈴木さん、それはお手伝いをするだと思います。

穂積さん、ありがたくいただきます。」



松本先輩達カップルはさっそく食べ始め、美味しさに震えている。

そうだろう、そうだろう!!

だってさや先輩が作ったお弁当だもん!!



「うっま…

穂積さん、すごく美味しいです!」



おにぎりとおかずを食べて那珂先輩が言った。



「ふっ、当然ですね。」



「いや鈴木、お前が言うなよ。」



「お米は魚沼産だから美味しいと思うの。」



いや、さや先輩…そういうことではないと思うんですけど…

でもちょっと天然な所も可愛いなぁ。





ちなみに、優しいさや先輩は樋口部長達にもお弁当を食べるか聞いたが、高橋先輩は手作り品はちょっと…とぬかしていた。

お前、なんでバーベキュー来たし。

樋口部長と富久山はひとつの弁当を分けて食べた。

運転する部長に富久山があーんさせている。



『さや先輩!!

私達の神聖なお弁当がプレイに利用されてます!!!』



他の人がいるので個別メッセージを送ると、それを見たさや先輩が吹き出ししばらく笑の発作に襲われて酷いことになってた。



「えっ!?穂積さん大丈夫ですか?!」



「私がさや先輩しかつぼらない面白いことを個別メッセージで送ったのでそのせいですね。」



「やめてやれよ、鈴木そういうこと…大体お前な…」



那珂先輩に何故かお説教を受けるはめとなったのだった。

解せぬ。






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