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え、呪文?

今日は週末!!金曜日!!!

昨日はつつがなく業務ができさや先輩と一緒に社食でご飯も食べられて定時で帰れた。

今日は、さや先輩宅にお泊まりの日である。

駅のコインロッカーにカートを預けて出社した。もう準備万端。

遠足前みたいにわくわくしすぎでどうしよう…!


…いけない、いけない。

こんな日はミスが出やすくなるからなぁ。

気を引き締めないと。



「おはよう、鈴丼。

なんか朝から浮かれてるけどどうした?給料日がそんなに待ち遠しかったか?」



「あ、ミトサンおはようございます。

いや、新人の頃じゃないんで、指折り数えてやっふー!っはなりませんよ…

実は今日と明日さや先輩のお家にお泊まりなんで嬉しくて仕方なくて。」



「あー、だから明日のバーベキュー同じとこから乗って降りる手筈なんだなぁ。」



「ミトサンは丹波と一緒ですよね。

はっ!!もしかして!!丹波のとこにお、お泊まり…!?」



まさかの本物か?!

なんて一瞬思った私の顔面をミトサンが鷲掴みし、力をこめてきた。

あっ、これマジおこの時の対応だ。ヤバイ。



「ミトサン、痛いです。」



「痛くしてるんだよ、鈴丼。

豆っ子のとこになんぞ泊まるかつーの。すぐ側のとこに住んでるからあいつが寝過ごさないよう声掛けしてやるんだよ。」



「なるほど…って、待ってくださいミトサン…

丹波の(アパート)の周りってタワマンしかないじゃないですか。」



ハイソな人が多いから、近くのスーパー安売りなんてしないし、オーガニックとか産地にこだわったバカ高いものしか売ってない!だから自炊できないのはしかたないです!!って前に丹波に聞いてたけど。



「…タワマンに住んでんだよ。」



「…は?!」



「おはよう、千佳ちゃん。水卜さんもおはようございます。」



まさかの新事実に驚く私にさや先輩が挨拶をしてくれた。

混乱中の私はありのままをさや先輩に言った。



「さ、さや先輩、おはようございます大変です…っ。ミトサンは…タワマンに!住んでるって!!!」



思わずヒソヒソ声になってしまう。



「まぁ。」



さや先輩は目を見開いた。そして数回瞬きした後に落ち着いた表情で言った。



「水卜さん、ダブルワークちゃんと申請しないと後々大変ですよ?気を付けてくださいね。」



「は?」



「え?」



今度はミトサンと私がキョトンとする。



「え?

ダブルワークして稼いだお金も合わせてタワマンに住んでるんじゃないんですか?」



「ちなみにさや先輩…なんのダブルワークしてると思ってます?」



「え?ホスト?」



首をかしげて言うさや先輩。

うむ、確かにミトサンはチャラチャラ気味とはいえホストになるほど華は無いような気もしますが、ノリとトークとキャラで売れそうといえば売れそう!



「してない!してないからな穂積さん!!

叔母のものを借りてるんだよ!!」



ミトサンの叔母様はかなり有能で資産家でついの住みかとしてオーダーメイドマンションを購入したが、海外で運命の出会いを果たし結婚、あちらに永住する事になったので身内お値段でミトサンに格安で貸してくれているそうな。

なにその叔母様!!!漫画や小説、もしくは映画かドラマみたい!!



「ミトサンがタワマン。うける…

ワインセラーとかありそう。」



「叔母が置いていったのはあるな。高そうなのがずらりで手をつけたこと無いけど…

タワマン住んでるなんて言うと金持ちと勘違いされたりするからあんまり言いたくないんだよ。」



ちょっとイヤそうにミトサンが言う。

なんかあったんだろうな~多分。

さや先輩がミトサンに対して珍しく興味津々に問い掛ける。



「キッチン機能性すごそうですね。オーブンとか食洗機とかついてたりするやつです?」



「使ったこと無いけどあるなオーブン。

食器洗い乾燥機は入れとくだけで簡単だから使ってる。」



「ビルドイン…!」



さや先輩がすごく感動している。

なんだろう、ビルドインって…呪文かなぁ??








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