頼りになります!
社食に行くと、美女軍団とミトサンが相席していたのでそこに混ぜてもらった。
松本先輩が物凄く恐縮していた。
佐川さんがお隣である。ドキドキしちゃうよね、佐川さん男性が好きそうなメリハリナイスバディーだから。私も昨日隣でドキドキしたぜ!
「ほづちゃんは?」
「え?あ、穂積さんですよね。
その午前中に提出しないといけない仕事が昼休み前に出されて…午後イチで別な課に出さないといけないのでオフィスで残ってます。」
松本先輩が解説してくれる。
「え、今日は丹波君のフォローしてるの?」
「なんでですか!違いますよ!高橋さんですもん!!」
うろんな目で影浦さんが言うと丹波が秒で反論した。
「高橋君…?ああ、あの綺麗な顔の子。
ちょっと待って?那珂君達より上よね?なに新人みたいなことしでかしでいるんですか…?」
焔さんが静かに怒っている。
「…それはうちに渡されるやつだな。
で、高橋は?手伝ってるのか?」
ミトサンが淡々と尋ねてくる。
ミトサンと美女軍団の空気なんか怖いんですけど…
「その…昼休憩に行きました…」
那珂先輩が緊張しながら答えると、何故か四人ともふっ、と笑った。
いや、それも怖いんですけど?
「おー、事情はわかった。
尋問みたいになったな、すまんすまん。手が止まってるぞ、お前らちゃんと食えな。」
ミトサンの一言で我々は食べ始めた。
ちなみに、丹波は影浦さんの問いかけの後、普通にご飯を食べていた。お前、すごいな。
★★★★★
しばし、無言の食事が進んだ。
先に食べ終わったミトサンが立ち上がる。
「あれ、水卜先輩行っちゃうんですか?」
一品おごると約束した丹波はラーメンを食べている。
大盛りご飯と生姜焼き定食を食べた後にである。胃袋すごいな。
「うちの課も関わってるし、穂積さんの様子見てくる。」
「行っても大丈夫ですって言われると思いますけど…」
那珂先輩が言うと美女軍団が笑って返す。
「水卜君はまぁ、あれだけど優秀ですし。」
「ずけずけいけるし、ほづちゃん押し負けると思う。」
「チャラチャラ系苦手だもんね、ほづちゃん。」
「おーおー、ひどい言われようだけどそんなわけで大丈夫だ。
うちの課絡むなら紙印刷とかしなきゃならないしな、そのチェックぐらいならできるぞ。
後輩諸君があまり早く戻ると、それこそ穂積さん気を使うだろうからゆっくり戻ってこいな。」
そして去っていくミトサン。
頼りになるなぁ。
「俺らじゃ頼りないんですかね…」
若干しょんぼりと松本先輩が言った。那珂先輩もそんな感じだ。
丹波はもちろん、私は頼りにならないって自覚してるからそうでもないけど先輩達は歯痒い思いもあるのかなぁ…
「先輩だからかっこよくありたいのよ。
逆に聞くけど、頑張ればなんとかなること丹波君頼れる?」
「頼るくらいなら自分でどうにかしますね。」
「そうだな。」
「先輩方ひどいです。俺だって応援くらいならできます。」
「それはうざいだけだと思う。」
言いながら、私も丹波には頼る気無いな~と思うのだった。