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肉よりも大切なもの

あけましておめでとうございます。

閲覧、ブクマ、ポイント評価ありがとうございます。励まされております( ´∀`)


長々あいてしまいましたが、細々更新していく予定です。

二月末までは怒濤の予定がつまっているのでなかなか更新できないかもですが…

しばらくは週二回更新を目指します。



「はーい、そんなわけで以上が今回のミッションだよぉ。

苦情はお断りだけど質問なら受け付けるよ。」



スッと水卜が手をあげる。顔は目茶苦茶不機嫌そのものだ。



「馬場課長、どうみても尻拭いなんですけど。」



「いやだなぁ、水卜ちゃん!どう考えても尻拭いだよぉ。」



「はぁああぁぁぁ!?じゃあ馬場課長行くのがいいじゃないですか!俺、立場的に平ですよ!」



「とらぶってる先の専務さんが水卜ちゃん推しの倉塚さんだからねぇ。

ご指名だよぉ。水卜が取引まとめに来るなら考えるってね。」



「倉塚さん、いつの間にか専務になったんですね…あー、優秀でしたもんね。」



昇進の話を断り続けて現場で働き、後進の教育に力をそそいでる水卜は社外でも評判がいい。

というか引き抜きがけっこう酷い。磯崎も修行という名目で、あわよくば連れて帰れって言われてるのはみんな知っている。

本人がげろった。

水卜が抜けようとしたらまぁ、営業のみんなで全力で止めるけど。


さてさて、何故ゆえ水卜が強制出張となったか…

そこには全くもって深くない残念な理由がある。


北海道の分社ができたのは五年前。

その際、優秀なメンバーが立ち上げに行き…水卜と私も一年半ほど北海道に行った。

私はあっちで借りあげのアパートに住んだけど、水卜は北海道とこっちを半月ごとに行ったり来たりした。つめこみ日程でお互いによく倒れなかったものだと思う。

食事が美味しくなかったら耐えられなかったと思う。蟹食べたいわぁ…

ある程度回せるようになったのを最後に我々は戻ったのだが…その後あちらで採用されたやつが地元でそこそこ有名なお家の坊っちゃんで…本社と違い優しいメンツが多かった事もあり…

それはもう見事に天狗になってしまった。

それで俺様何様な態度で取引先の信用を底辺まで落とし、ひとつ契約をぶっちぎられ、むこうの部長と課長か胃潰瘍で倒れ一番大きい取引先にも切られそうになりようやく本社に話が回った。

とっとと言えばよかったもんを…

部長と課長かわいそすぎる…



「やらかしたやつは周りが無能なのが悪いって言って反省もなし。

なおかつその親も息子可愛さで叱らないらしいよ。」



「辞めてしまえよ、自分の親のとこにいけよ…」



「この会社は俺が居ないと駄目だって変な自信ついてるみたいだよぉ。

もー、水卜ちゃん!こっち睨んだってなにも変わらないよぉ~?

あっちの部長と課長のフォローと取引先の繋ぎ止め、余力があったらやらかし坊っちゃん叩きのめしてねっ!」



きゃぴっと可愛い子ぶったポーズを取る馬場課長に死んだ魚のような目を向ける水卜。

馬場課長、おっさんが可愛い子ぶったポーズしても可愛くないですよ。



「よく考えてごらんよ水卜ちゃん。

新生活にはお金かかるだろ?それにそのうち結婚式とかもするでしょう?

ここでさ、ドカーンと評価ポイント稼いで臨時ボーナスゲットしておきなょ!」



深いため息をついて、水卜はなんとか行く決心を固めたようだった。

新婚そうそう大変だなぁとは思うけど、まぁ、水卜だから別にいいか。



「はーい、そんなわけで水卜君頑張っての意味もこめてこれから焼き肉行こー!」



「俺は行きませんからね!!!!」



ややキレ気味に水卜は言い捨てて去っていこうとするので私はその手を掴んだ。



「待ちなさいよ…水卜…」



「離してください。」



「駄目…連れてって…一緒に…」



部屋に沈黙が落ちる。私は言葉を続けた。



「チケットと資料…!!!何しれっと置いていこうとしてんじゃ!!」



「チッ、ばれたか…!!」



「バレたかじゃないわよ!磯崎!!鞄にねじ込みなさい!!」



「あっ、止めろ!磯ボン!!!」



「さーせん!上には逆らえないんでぇ~」



こうして水卜は北海道行のチケットを手に入れ(強制)会議は終了したのだった。

この後、馬場課長が焼き肉おごってくれたが水卜は肉よりもさやちゃん!!と言い残しプンスカ帰っていったのだった。大人気ないよねー







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