表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/176

どうみてもパワハラですね。はい。

声の方を振り向けば、樋口部長が高橋先輩を怒鳴り付けている。

えー、何事?!!!



………あっ!あれか謝った方がいいですよって伝えたのかな…?遅いよ!

すぐ言えず今になった感じか…



「なんで俺が謝らなければならない?!

社の利益の為に必要と理解できない方が驚きだ!むしろ泣けばいいと思う方がおかしいだろう!」



「俺に言われても困ります…とにかく伝えましたよ?ちゃんとよく考えてみた方がいいと思いますが…」



樋口部長に押されながらも高橋先輩にしては珍しくキッパリ言い切った。



「それに…元々準備がなってなかったのを棚上げするのはどうかと…」



「それは!いつも穂積が…」



うわぁ、胸ぐらをつかんでるよ。

あ、途中で言葉を切った!さや先輩が気を回してとってくれてるのを認めるの嫌なんだね。

たいしたことしてないのに恩着せがましいとまで言ってたもんなぁ。



「とにかく俺は謝らん!いいな!!」



高橋先輩を解放してつかつかとこっちに来る樋口部長。え、何?!



「なにをとっている!!」



「え?パワハラ場面を録画してただけですけど?」



しれっと答えた磯崎の手にはiPhone。

てか、パワハラってちゃんと言った!!まぁ、本当の事だけど。



「そんなことしていない!」



「なら別にいいですよね?とられてやましいことでも?」



「人を勝手に撮影するな!」



「話題をすり替えないで下さいよ。外部の俺からするとパワハラにしか見えないので証拠にしておこうと思っただけですよ。

パワハラじゃないなら恫喝ですよね。」



怒る樋口部長に対して、磯崎は淡々と返す。すごいなぁ。



「あなたにとってそれが普通でも、他からみれば十分パワハラで恫喝だ。

そんな調子で他の部署の弱い立場の新人…しかも女性に詰め寄れば相手を泣かせたり怯えさせるのは当たり前と思いますが?

ねぇ、富久山今のような怒鳴り付けもし自分がされたらどう思う?」



「正親さんはそんなこと俺にしないよ!

しないけど、もし他の人にされたら正親さんが守ってくれるから大丈夫!!!」



樋口部長の後ろで帰り支度万全の富久山に問い掛ける磯崎。

富久山キサマ…!!!今、鐘なってるんだぞ。帰り支度してないでちゃんと仕事進めろよ!

まぁ、怒りはおいといて…それ、遠回しに恫喝って認めてるも同じだからな?

樋口部長の顔色が変わったぞー

へへ、ざまあ!!



「そんなわけなんで、気をつけて下さいよ?

俺は謝るのも勇気ある選択だと思いますけどね?」



「…っ!誰に向かって言っている…!!」



苦し紛れにか、去りつつある磯崎に睨み付けながら言う樋口部長。

あらー、そんな態度いいんですかね?



「あのさぁ、俺これでもイソザキの次代の社長なんだよね?

この会社では新人ですけど、一応御曹司なわけですよ。ボンボンなわけ。

俺が社長になったときあんたが取引相手だったら、切ることもできるんですよ?

誰に向かってものをいってるかよーくかんがえてくださいよぉ?」



にゃーっと悪そうな顔して笑う磯崎に固まる樋口部長。

あれ、知らなかったんですかね?



「あ、そうだ!忘れてました!

穂積さん、水卜先輩から伝言でーす!終わるまでかかりそうだから綾城さん?のとこに居てって言ってましたよ!」



ぱっと表情を変えてさや先輩にかわいく頬笑む磯崎。変わりようがすごいやつだな。

そうして磯崎が去っていくとオフィスには静寂が訪れたのだった。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ