真実はいつもひとつ!
私か黙ると、高橋先輩は気まずそうに続けた。
「鈴木さんに対してほめられた態度とってなかったのに、なんで助けるようなまねしてくれるの?
穂積さんもだけどお人好しがすぎると思うんだ。」
はは、なーんだそんなことかよ!
私は思わず吹き出した。
「面白いこといいますね、高橋先輩。
助けるような真似じゃなくて、嫌々ながら助けただけです。さっきの樋口部長への伝言だってちゃんと伝えられなきゃあの方々に迷惑になるからですよ。」
「…え」
「正直、高橋先輩にされたことも言われたことも許す気も無いし仲良くするつもりはミリもありません。
ほんとはすごく嫌ですけど、嫌だからってそれを全面に出したりはぶいたりするのは社会人としてどうなのかと。
高橋先輩のように顔がよくないので本音は飲み込んである程度付き合っていかなきゃならないんです。
まぁ、顔がよいからこそ苦労をしている隣の友人もいるので、顔がいいからすべて良いとは言いません。」
そこで何ショック受けたような顔するんですか?
顔がいいなぁとは思うけど、それで許されると思ったら大間違いだかんな!!
だがみゆちゃんがごめんなさいっっていってきたら許しちゃう!
だって可愛いは正義だもん!
「ち、千佳先輩…」
うるんだ目でみゆちゃんが私の手をきゅっと握ってくる。
可愛すぎる!!!好き!!!!!!!
「みゆちゃんの健気さとガッツが高橋先輩にもあれば何かが違ったと思う…
てか、みゆちゃんそんな目で見ないで!!ドキドキが止まらない!!!」
男だったら恋しちゃう!
あ、でも男だったら本命はさや先輩だけどなぁ…けどぐらりときちゃう!この小悪魔ちゃんめ!!
「でへへ…友達…」
その笑い声はちょっと…いや、可愛いんだけどさ。
友達という言葉でこのとろけよう…うーん、前々から思ってたけど…みゆちゃん友達…いな…いや、少ないのかな…?
「そうか…」
隣の高橋先輩の呟きに我に返る。
「あ、私もさや先輩もちゃんと仕事してくれればとやかくは言いませんのでよろしく頼みますね?」
一応、念押ししておく。
ちゃんと言ったかオフィスで監視と確認するからな?
「うん、それはわかってる…わかってなかったなぁ…今まで…」
自嘲気味に笑う高橋先輩。
ふむ、絵になりますが恋しに会社来てんじゃなく仕事しに会社来てることちゃんと自覚しろな?
とりあえず言質はとったのでみゆちゃんとその場を離れる。
昼休みが終わるまで自販機側のフリースペースで我々はきゃぴきゃぴ話に夢中になったのだった。