それはもう、あれじゃね?
「今日、取引先の社長と打ち合わせがあったでしょう?」
三人組の一番年嵩の女性が口を開いた。
天花寺社長との打ち合わせしてたな、そういえば。
私達が頷くとその人は続けた。
「元々、その打ち合わせ場所をうちの課が押さえてたのよ。
けどね…昨日の夕方来て新人の子怒鳴り付けて泣かせたあげく会社の利益を盾に予約をぶんどったのよ。あの男…」
「「「は………!?」」」
「泣けば許されると思うな、女はすぐそれだって間に入った女子社員や新人に言い捨てました。
もうね、うちの上が居ないとき…しかも女子の新人や派遣やパートしかいない時を見計らったかのような暴挙で暴言でね…
正直言ってね、人様の部署やら課に来てやることじゃないわよね?」
人としてどうなのってレベルです、はい。開いた口がふさがらないよまったく…
「さっきねー、うちの上司が抗議してくれたんだけど、内部の会議と取引先との打ち合わせどっちが大事かって逆に食って掛かられる始末…
本人自分が正しいって思ってるからたち悪いの。」
「私達で言いに行こうかとも思ったんだけど、ほら樋口部長基本的に女性敵視気味でしょう。本人ばれてないと思ってるけど若い子以外は知ってる事だし。
それで最近仲良さそうな高橋さんから謝りに来るよう言ってもらおうとおもって声掛けたの。」
言葉もない…
ほんとなにやってるの?てか、女性敵視気味って知られてるー
「穂積さんがいるのに…今までこんなことなかったですし…結婚するからって浮かれてるんですか…?」
私と同じくらいの最少年がぼそりと言った。
えっ、なんでさや先輩がちゃんとしてればって感じに話が行くの?!
ちょいまてぇぇぇぇぇ!!と私が立ち上がる前に隣の高橋先輩が立ち上がった。
「それは違います。
穂積さんは理不尽な態度や暴言…扱いを樋口部長にされても仕事だからって割り切って対応してあまつさえフォローまでしてました!
その…俺も失礼な態度をとったりしましたけど…それも流してちゃんとしていました。今回フォローがなかったのには訳があって…」
こんなにしゃべる高橋先輩初めて見た…!!!
いやいや、しかしよく言ってくれた!
高橋先輩は月曜日あったことを淡々と話した。私が言うよりきっとちゃんと伝わったと思う。
そして隣のみゆちゃん般若顔だよ!
うん、言わなかったからね…。ユルスマジ樋口…とぶつぶつ呟くのやめて!
きれいなだけに怖い!!